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2014/06/09

My Dear Fellow

アイドルファンの立場で見れば一番親しみやすいと思える、シンプルなJ-Pop的メロディとアレンジの曲。

 勿論、俺は苦手のパターンなんだけど、最近の大仰路線が嫌いすぎてコレが妙に収まりが良く感じるのも事実。「ああ、アイドルはこういうコトやってるのが正しいのだなあ」という気分になってきた。

 ただ、収まりがいいのはつまり過去の楽曲を適当に焼き直した感じだから、と言うのも事実。Battle and Romanceのなかで埋もれていた曲、と言ったら信じてしまいそうだ。それが決して悪いことではない、と思えるようになったのがこっちの心境の変化なワケだが。

 要するに3曲通して聴いて言えるのは、現在のももクロが音楽的には完全に行き詰まっている、っていうコトなんだろうな、と思う。きっとコレからは歌手と言うより、お茶の間にお馴染みのタレントとしての活動に力を入れるという宣言なんじゃないかな。

堂々平和宣言

5 the Powerに続く2曲目の本格(?)ラップナンバー。

 チープなエレクトロニックサウンド、ちょっと初期コンセプト回帰を感じる和の香り、そしてラップ、と気を引く要素が悪くないバランスで組み合わされている。

 のだけど、5 the Powerに比べてメンバーそれぞれの個性、っていうか存在感を生かそうという意志が希薄で、どのパートを誰が歌っても一緒でしょ?っていう気分になる。居心地はいいし、聴きやすいんだけどね。一曲目が酷いからなんとなくほっとするんだけど、冷静に聴くとどうにもパッとしない。

 シングルB面曲、っていう捉え方をすればワリといい塩梅なのかも知れない。

泣いてもいいんだよ

中島みゆき作曲による、あくまで個人的見解ではあるが、ももクロ史上最悪のシングルリードトラック。

 レビューするのも嫌なほど酷い。もう「大嫌い」としか言いようがない。いいとか悪いとかじゃなくて、受け付けない。苦しいのは誰ですか、だと?俺だよ。

 とにかく有名人起用による話題性優先パターンと、無駄に大仰なだけで何も感じさせないアレンジが最低の形で出会った作品。良い部分が一個も見つけられなくて、泣いてもいいんだよ、と言われたら確かに泣きそうだ。こんなものに金を払った、と言う意味で。鋼の意志より、もリフより遙かに嫌い。聴いているとイライラしてくる。サックスが嫌。ストリングスが嫌。メロディが嫌。杏果の歌い方が嫌。何が「そーりゃ」だ。エンディングが70年代のアニメ主題歌みたいで、その瞬間だけ救われる。それとも「やっと終わった」って言う喜びかな?

 叩いてもいいんだよ。

2014/06/02

ムーンライト伝説 / タキシード・ミラージュ

セーラームーンのトリビュートアルバムに提供された2曲。

 このアニメに対して思い入れどころかただの一回さえ見たことのない俺でさえ知っている有名なオープニング曲、ムーンライト伝説をストレートカヴァー。ストレートすぎて特筆することが何一つ無いが非常に安心感のある(=可もなく不可もない)カヴァーに仕上がっている。こういう昭和臭いメロディがももクロとの親和性が高いのは今更言うまでもない。

 タキシード・ミラージュの方は全く知らない曲なのだけど、個人的には非常に苦手なタイプのバラード。玉井がこの時期にしては驚くほど不安定な音程でオープニングを飾る。他のメンバーの歌も妙にやっつけ仕事?

 とはいえ、最近の無駄に大仰で、話題性だけを狙ったような作品群と比べると良い意味で力が抜けていて、個人的に「アイドル」という物に求めていた空気感が久々に帰ってきたような、そういう緩い存在感は決して悪くない。

 よりによってももクロ初の7インチシングルが切られた、と言うコトは特筆しておきたい。

2014/02/13

TwinkleWink / Twinkle5


 劇中ではカナエ(夏菜子)加入前、メンバーチェンジ以前の曲として使われているため、飛鳥凛が一部のヴォーカルを担当、夏菜子は不参加となっている。

 冴えない時代の楽曲ということで、意図的に何の変哲もない、ステロタイプなアイドルソングを模して作られている。アイドルには門外漢の俺が聴いても「ああ、アイドル曲っぽいねぇ、しかも絶妙にダサいねえ」と思えるように作られているのが立派。あくまで、そういう機能としての楽曲なのでコレが名曲だったら役に立たない。わざと駄目な曲を作るっていう、作曲家の能力には敬服する(オレンジノートとかの人だから、凡庸な曲しか作れない可能性は否定できないが)。

 それを演じる第一期Twinkle5の面々も、現在のももクロが得た物をあえて捨てて、演技として「冴えないアイドル」として歌っているように聞こえる。駄目であることが正解、という曲もあるのだ。

JUMP!!!!! / Twinkle5

NHKの2013年クリスマスドラマの劇中歌で、配信のみでリリースされたシングル。ももクロ演じるドラマ内のアイドルグループ、Twinkle5名義でのリリース。

 夏菜子(カナエというべきか?)のアカペラソロヴォーカルで始まるのだけど、いつもの夏菜子と全然印象が違って一瞬ドキッとする。こんな上手かったっけ?

 2ビートのノスタルジックな曲調が心地よい。最近のももクロで聴けなかった、シンプルで楽しいポップソングを素直に聴かせる造りは、最近の路線に食傷気味だった耳にはすっきりと気持ちよく響く。俺が今求めている「アイドルポップス」はコレが一番近いのかも知れないなぁ、とまで思ってしまうのはGOUNNとか鋼の意志とか聴いて疲れた後だから、って気もするけど。

 杏果のヴォーカルが、今のスタイルと喉の治療以前のスタイルの中間くらいに収まってきてる感じなのが少し気になる。悪い意味でなく、昔のスタイルをコントロールして出してるようにも聞こえる。それから高城の声の存在感が増してるのが聴き取れるのも重要。逆に、あーりんは比較的存在感が高くなく、玉井はいつもの如く。

 それにしても、この曲を「ももいろクローバーZ」名義でリリースできない(しかもフィジカルリリースも無し!)、というのは、圧倒的に不幸だ。

2014/02/02

鋼の意志

アルフィーの高見沢俊彦作曲の、アルフィーみたいな曲。使い回しという話は多方面から聞いたが、幸か不幸か原曲になっているアルフィーの楽曲を俺は知らない。

 泣いちゃいそう冬が思ったより聴けたので油断していたら地雷はここに潜んでいた。いや、地雷って言うか、ヤバそうとは思ってたんだけど、個人的嫌い度は広瀬の方が遙かに上だからさ、高見沢はまあ、布袋レベルより少し低いくらいのロックナンバーかな、って思ってたわけですよ。

 なんだろうね、この退屈は。コレも最初に聴いたのがLVだったんだけど、動きのない振り付け(スタンドマイク使用)と相まって躍動感もグルーヴも何も感じない、異様につまらない曲に感じた、と言うのが第一印象。

 CDで聴いてもあまり印象は変わらない。サビの聴きづらさが少し緩和されたかな、という程度。曲としてはまあ、ももクロ的には今まで無かったタイプの歌謡ロックなので、なんとなく新鮮味も感じるんだけど、漠然とした押しつけがましさ(体育会系的?)が楽曲全体に漂っていて、Chi-Maxxや労働讃歌のようには乗れないのだ。

 サウンド、特にドラムパートの安っぽさが久々に気になる。最近の作品ではこういうロック的な曲は生バンドを使うことが多かっただけに、高見沢のギター以外基本的に打ち込みなのが妙に貧乏臭さと違和感を持って聞こえてくる。2011年までのももクリシングル同様の「予算不足感」が漂ってしまう、悲しい曲。

泣いちゃいそう冬

クリスチャン・ラッセン先生謹製のありがたいジャケットに包まれ、豪華超大物作曲陣を迎え制作されたももクリ限定盤シングルの2013年版。リードトラックは「冬の女王」こと広瀬香美作曲で……

 ああっ!やめやめっ!!

 今回のシングル、リリース前の「期待できない感」は半端無かった。もう全ての要素が嫌な予感しかしないという恐ろしい人選。発表されたアートワークも「ラッセンライブラリから適当に素材持ってきて切り貼りしました」って感じだし、現物を見たら表は仏教(?)裏はフリーメイソン(笑)という出鱈目具合。もう腰砕けにも程があって逆に名作の予感がしてくると言う……

 ラッセンをこき下ろすのはこの辺にしておこう。このブログはあくまで楽曲のレビューが目的だ。

 広瀬香美は春の西武ドームで我々にトイレに行く時間を提供してくれた恩人である。そんな人がももクロに楽曲を書き下ろすんだから悪い予感しかするわけもなく、実際聴くまでは「例の曲芸」でメンバーに負担を掛けまくる曲になると思っていた。

 えーとね、正直言うと、そんなに悪くない。いや、俺が酷いのをイメージしすぎた、というのはあると思うし、実際かなりキツい曲だとは思う。出だしの「いつの時代だよ!」って言いたくなる「泣いちっち」で聴き続ける結城が挫けそうになるし、サビのどうしようもない歌詞を無駄に詰め込んだパートを聴いているとこっちの方が泣きそうになる(情けなくて)。

 だけど、最初に聴いた環境が良かったのかな。「俺の藤井」のLVでなーんとなく聴いたら、メンバーは可愛く見えるし、そんな悪い印象は持てなかったのだ。まあ、家で音だけ聴いてるとやっぱり、相当しんどいけどな。

2014/01/29

tofubeats Megamix

「輝く地球 繋がる地球 笑う地球」と題された、ファンクラブ継続特典CDに収録されたリミックス作品。tofubeatsはセカンドシングルでももいろパンチのリミックスを手がけて以来二度目の起用。メガミックス作品としても小西康陽によるものに続き二(三?)作品目となる。
 
 走れ→ももいろパンチ→気分はSuper Girl→行くぜっ!怪盗少女(断片)→words of the mind→ツヨクツヨク→行くぜっ!怪盗少女→未来へススメ!→あの空へ向かって→ラフスタイルと続く、27分にわたる長大な作品。ってか各楽曲がほぼフルコーラスで使われてるから長いし聴いていて疲れる、飽きる、うんざりする。
 サウンドをぶつ切りにして組むスタイルのミックスはTofubeatsの芸風のようだけど、30分近く延々コレを聴くのもなかなかしんどいものがあるね。声が震えてるみたいに聞こえるの、気持ち悪いんだよな。少しだけやるならいいけど、延々コレばっかりだと辛い。聴きづらい上に踊れないし。まあ、控えめに言って、最悪の部類。

 まあ、あくまで「特典」でそれ以上でも以下でもない、普通は一回聴いて終わりだろうねえ(俺もコレ書くために初めて聴きました)。いやー、聴いてて苦痛だった。この特典CDの価値は唯一、ジャケットのみであると言って過言ではないだろう。

2014/01/28

ももいろ太鼓どどんが節

他の2曲に先行し、サマーダイブで新曲として公開された曲で、作曲と演奏を怒髪天が担当している。和太鼓でヒダノ修一も参加。ゲーム「太鼓の達人」とのタイアップ曲で、例によってタイアップをカップリングに回すというパターンが貫かれているのは痛快。

 とはいえ、個人的には怒髪天のことは何にも知らないのでその辺を語ることは出来ない。ただ、GOUNN同様の「楽曲派を唸らせる起用」であるにもかかわらず、演奏面ではオーソドックスにポップなトラック作りに徹しているので、記名性は比較的低いんじゃないかと思われる。「いや、だれが聴いても怒髪天丸出しだよ!」っていう意見もあるかと思うが、ソレは俺には解らない。

 暴れ鬼太鼓からの流れか、太鼓シリーズ第二弾として高城のヴォーカルから始まり、全体的にも彼女が目立っている印象。個人的には楽曲毎にこういう偏りがあってもいいと思っているので、非常に歓迎すべき傾向。ソロ曲じゃなくて、誰かがリードヴォーカルで、他のメンバーが脇に回るっていう感じがあっても面白いじゃない。

 閑話休題。

 この曲が今回の3曲で一番バランスがいいと思う。ポップで解りやすく、楽しくて、サウンドもシンプルで、メンバーの色もそれなりに出て、それでいて楽曲派(笑)にも満足感を与えられるという。どうしてもコレをメイントラックには出来ないのね、という感覚は、もどかしくもあるなぁ。

2014/01/27

いつか君が

事ある毎にライヴやテレビで共演してきたmiwaとの、録音物としては初のコラボレーションとなる作品。また、「あの空へ向かって」以来久々に歌詞をメンバー自身が手がけたことも話題になった。残念ながらmiwaクロでなく、ももいろクローバーZ名義でのリリース。

 ファンの間では待望された作品と言っても過言ではないが、残念ながら曲の出来は平凡。「あの空」もそうだし、「オレンジノート」や「走れ!」と殆ど区別が付かない「何の変哲もないJ-Pop」だ。決して悪い曲、と言うわけではない。好き嫌いで言えばオレンジノートなんかより遙かに好きだし、聴いていてそこそこ心地よい面もある(ソレは俺がももクロのファンとして「慣れて」きたという意味でもある)のだけど、最初から最後までフックは全然無いし、聴き終わったらメロディが脳に残ることもない。聴き飛ばして終わりの使い捨てポップス。リリース後なんとか2回くらい聴いたけど、レビュー書くためじゃなかったら意識的に聴き返すこともなかったと思う。

 とは言え、GOUNNで食傷気味になった耳には非常に居心地がよい。特にライヴで見ると、メンバーが可愛く見えるというのはアドバンテージか。テレビとLVで観て少しそう思えたね。要するに、アイドルに「癒し」(言葉としては大嫌いだが)的なものを求める面がある人間にとっては、こういう平凡すぎるポップスがむしろ丁度良いのかも知れない。オレンジノートの時のような酷評が出来ないのはそういう理由がある。

 せめて、もう少しだけ良い曲だったら積極的に聴くんだけどな。

2014/01/21

GOUNN

GOUNNツアーで発表された新曲にしてツアーのタイトルトラック。シタールやタブラを使ったサウンドからNARASAKIの曲かと思ったが、実際には無名のシンガーソングライターの作品だった。

 リリース前に「豪華」演奏陣(NARASAKI、ASA-CHANG、ハマ・オカモト、ピエール中野)によるバックトラックが公開されたことも話題になったが、なんとなくそういう「音楽通を唸らせる」演出行為が鼻についた感があった。確かにメンツには驚いたし、凄いとは思ったけど、5th Dimennsionの頃から顕在化し始めた「楽曲派」を意識したサウンド作りとそれを話題として前面に打ち出す姿勢にはあまり良い印象は無かったな。なんかやたら話題になって「トラックだけで凄い」みたいに散々言われたけど、個人的には、バッキングだけ聴いてもやたらうるさくて、何にもいいと思わなかった(あくまでトラックの話。俺はツアーで完成形を聴いていたから曲が悪いと思ったわけでは、無い)。

 そういうバックボーンと完成品としての曲の評価は全く別の話。サイケデリック・ロック meets 80年代歌謡曲という趣の楽曲そのものは、特に最初ライヴで聴いた時には素直に「いい曲」と思えた。メロディはシンプルでキャッチーだし、ツアー同様仏教的世界観を打ち出した歌詞は、意味よりサウンドとして曲に溶け込む。トラックのみでは音数が多すぎて過剰と思われたハマ・オカモトとピエール中野のリズムトラックはヴォーカルが乗ると不思議なくらい丁度いい塩梅に収まる。そういう意味ではとても良くできた曲だと思う。ちょっとキミとセカイを思い起こさせるメロディも顔を出し、古くからのファンの気持ちも絶妙にくすぐるんじゃないかな。

 だけどこの路線、つまり「労働讃歌」あたりからの、どんどん過剰さを増し、派手に、複雑に、豪華に、長く、てっていう楽曲の方向性にはそろそろ飽和を感じ始めていて、正直繰り返し聴くうちに、この脂っこさに胸焼けしてしまう。要するに、俺は飽きてきたんだよね、「楽曲派」好みの音にさ。テレビサイズで聴くと適度にくどくなくて逆に丁度いいってのは皮肉だ。

2014/01/06

アタシハアイス

「全曲解説」を謳うならこの曲を避けて通ることも出来ない。とは言え、現状としては非常に微妙な存在とも言える楽曲だ。

 スマートフォン用アプリ「爽快!ももクロフタの上ツアー」及びTVCMでのみ発表された曲で、現時点で聴けるのは2分にも満たないヴァージョンのみだ。エンディングの雰囲気や、推され隊と夏菜子のソロヴォーカルパート(夏菜子は台詞部分があるが)が登場しないところから推測するに、フルヴァージョンが存在するものと思われ、その発表が待たれる。

 楽曲としてはシンプルかつポップで楽しい曲。最近の小難しい「楽曲指向」に慣れた耳には拍子抜けするほどポップ。CMではラップ(?)パートのみ使われているが、メロディのあるパートの据わりの良さはなんとなく「ももクロってこういうグループだよな」って思わせてくれる。

 作詞は嵐田光なる人物が手がけたようだが、何故か作曲者は公表されていないようだ。その辺の成り行きも不明。なんにしても、是非そのうちなんらかの形でリリースして欲しいなぁ。


2013/12/12

桃色四葉Z日本巡業弐零壱参 五蘊劇伴音楽集



 「ツアーのサントラ」という名目でライヴの曲間SEを集めたアルバムを(限定盤とは言え)作成し販売する。まあ、全くあり得ないコンセプトではないのだけど、アイドルファンにアイドルの声が一切入っていないCDを売ってしまう、という商売はなかなか豪快だ。コレを作るという行為自体が半ば出オチ的なサプライズだが、問題はそのクォリティにあった。

 全7曲のソングライターとして主に過去のももクロ楽曲に関わったミュージシャンを起用。参加したのは永井ルイ(月と銀紙飛行船)、NARSAKI(ピンキージョーンズ、黒い週末他)、長谷川智樹(宙飛ぶ!お座敷列車、僕らのセンチュリー・アレンジ)、大久保薫(初参加)、和嶋慎治(黒い週末・ギター)、木村篤史(初参加。GOUNNのアレンジ担当)、横山克(Chai Maxx、空のカーテン他)というメンバー。大久保、和嶋、木村は初の楽曲提供となるが、他の作曲陣は既に馴染み深いメンツ。

 永井ルイの「曼荼羅」~プロローグ~はオリエンタルなオープニング曲、と言うコトで何故か個人的にはストーンズのContinental Driftを思い出してしまったのだけど、まあ似てると言うより雰囲気があるという話。「ゴダイゴっぽい」という声も聴いたが、まあBirth of Odysseyと言いたいんだろうけどさほど似ていない。ぶくぶくと沸き立つようなサウンドが印象的で、個人的には一番好きな曲。

 「運命」~輪~はNARASAKIが作曲。イントロの40秒近くが非常に小さい音で収録されているのでパーカッションが聞こえるまで不安になるが(笑)この曲から久米明(!)のナレーションが入るが、声の入らないヴァージョンも聴いてみたかった。前半のエスニックアンビエントという雰囲気のパートから、リズミックな後半部へ展開するとなんとなくNHK特集かなんかのBGMという雰囲気に。前半の感じで押して欲しかったのは好みの問題。

 「巡礼」~廻~は長谷川智樹の曲。お座敷列車や僕らのセンチュリーのグラムロック的な方向性とは全く違った、今回のサントラ全体の雰囲気に合わせた楽曲。四つ打ちのビートが登場して、前2曲よりダンサブルでポップな感じになっているのは持ち味か。

 唯一英語のタイトルが付けられた「Meditation」~転~は初参加の大久保薫の作品。ピンク・フロイドのEchoesを彷彿とさせるイントロにニヤリとしてしまう。そのせいでもう少しヘヴィなビートを期待してしまうのだけど、残念ながら基本的に軽め。でもコーラス系の音色で弾かれるキーボードもちょっとリック・ライトっぽいフレージングだったりして、やっぱりフロイドっぽいのだ。

 「祈りの鼓動」~生~は和嶋慎治の初提供曲。ナレーションが終わってから曲が始まるのが嬉しい。勿論和嶋自身のヘヴィなギターが聴けるのがこの曲の魅力。何人かの指摘もあったが、確かにこの曲は生のドラムでもっとハードに聴かせて欲しかったが、サントラ全体のサウンドの統一を考えたらコレが正解か。
 他の曲はエスニックな楽器音とそのフレージングでアジア風のサウンドを作っていたが、元々和風なギターが得意な和嶋はその雰囲気をギターで出しているのが異彩を放つ。

 「光と影」はサブタイトルが付いていなく、最も短い曲で、インタールードとしての色彩が強い。最もアンビエント色が強く、コーラスとシタール系のサウンドが曲の中心を為している。
 この曲はこのあとリリースとなるシングルの、また、このツアーのリードトラックでもあるGOUNNのアレンジを手がけた木村篤史が作曲しており、この曲の後にGOUNNが披露されるという流れもあるため統一した雰囲気を狙ったと思われる。この曲はあくまでイントロであり、存在感の薄さは狙いなのだ。
 
 ステージ本編のクロージングとして使われた「旅」~時の流れ~は横山克の曲。いかにもエンドロールのバックで流れそうな大団円的サウンドで、あまりエスニックな音には拘っていない。GOUNNの世界から通常のももクロワールドへの繋ぎ、という意味もあるのだろうか?

 あえて言うならサウンド的には不満がなくもない。決してクォリティが低いわけではないけど、やはり打ち込み主体のサウンドが楽曲を生かし切っていないと感じる部分もあるからだ。だが、あくまでツアーの幕間SEであり、主目的を考えると予算的にこのメンバーを揃えただけでも限界だろうことは想像に難くない。むしろ予算オーバーの部分を補うためにサントラとしてリリースしたんじゃないか、と邪推したり。


 ナレーションに関して少し。仏教的世界観をビジュアル・サウンドイメージとして多用しているため、最初は説教臭い、宗教臭いような内容として受け止めて、正直俺なんかは拒否感を示しかけたんだけど、実際良く聴くともの凄く当たり障りのない、当たり前のことしか言っていない。この辺のバランス感覚、特定の宗教観に偏らないようにしたのは立派な判断だったと思う。

2013/10/22

ラフスタイル for ももいろクローバーZ

オリジナルヴァージョンのレビューを書いたとき俺は「大化けするとは考えにくいけど、もし出来るなら、今のももクロで聴いてみたいとも思う。」と書いていたコトはコメントされて思い出したのだけど、まさかそれが実現するとは思わなかった。しかもまさかのバラードアレンジ。ある意味「大化け」したわけだが。

 いや、実際には本当に「大化け」している。アレンジはともかく、オリジナルと聴き比べると歌唱力そのものは言うまでもないんだけど、歌を歌おう、表現しようという気持ちが雲泥の差だというコトが解る。ってか、こうやって比べちゃうとオリジナルは歌じゃないよね。カラオケレベル以下。

 サウンドは白秋〜5th Dimensionを踏まえた生バンド/アコースティックサウンド。面白いのは、実はアレンジは大きく変わったが演奏時間が同じで、テンポも殆ど変わっていないこと。コレはある意味マジック。聴かせ方でテンポ感まで全く違うように聞こえるのだ。

ツヨクツヨク / だいすき!! / Hello... goodbye

ファン人気はあるけどどうにも苦手、という意味でWords of MindやBlieveと同列に扱ってるのがツヨクツヨク。早見のラップは他の曲より良くできていると思うけど、それ以外に聴き所がない。ヴァースだけちょっとファンキーで、そこからべたっとしたサビへの展開はこの手の曲の定番。どうにも好きになれない。スタジオヴァージョンの正式リリースはコレが初?限定発売とかあったのかな。

 だいすき!!は純粋な未発表曲?俺としては初めて聴いた曲で、なんとも居心地の悪いリズム感覚のテクノポップ。高音でメロディに付かず離れずのシンセ音がどうにも気持ち悪い。ヴォーカルはラフスタイルに近いやる気無さそうな棒読みスタイル。いかにもボツ曲という感じだ。気怠い「いぇーい」がもの悲しい。

 Hello... goodbyeは柏原芳恵でも勿論ビートルズでもない未発表曲。だいすき!!以上にバックと歌の混ざり方が気持ち悪くて、更にユニゾンのメンバー同士の声が溶け合ってなくて、もの凄く聞きづらい音。メロディも捉え所がない。最後まで聴き通すのはそれなりに苦行。

Dream Wave

デビュー直前くらいの限定発売だかなんだかで出た曲、くらいの知識しか無くてちゃんと調べずに書くのも気まずいのだけど、まあわざわざ調べたいような曲ではない、と言うのが本音。

 デモテープレベルのサウンドなのは仕方ないし、歌唱が稚拙なのも仕方ない。まだなにも起こる前、本当に何も起こって居ない頃の作品。

 それでも一瞬夏菜子の声、現在の強さはないけど、何かを内包した声に耳が反応する。それが何かの予感だと言ってしまうのは大袈裟だけど。

あの空へ向かって / あの空へ向かって(Z Version)

入り口のない出口収録曲に関しては今回初登場の曲に関してのみ扱うことにする。既発の曲に関しては各シングルの項を参照のこと。

 この曲には幾つかのヴァージョンがあるのだけど、このアルバムに収録されたのは固定メンバーになってからの録音。ネットで聞いたコトがある初期メンバーによるヴァージョン(シャレにならないレベルで下手糞・笑)よりは遙かに安定した歌唱になっている。それでもまあ、かなり下手糞だけど。

 歌詞は初期メンバーが書いたもので、ソングライティングにメンバー自身が参加したものとしてはなんと、コレが現時点で唯一となっている。

 オレンジノートや走れ!と並び、ファン人気の高い曲の一つで、古株のファンほど思い入れも強いのではないだろうか。初期曲で、スタジオ版公式発表が遅く、常にエンディング近くで演奏される、と言う意味ではウイングスで言うところのSoilyにあたる……というのはでかく出過ぎました。

 さて、こういった物言いから俺はこの曲が嫌い、と言う流れかと思いきや、コレが意外に悪くないと思っているのだ。何がどう、という説明はしづらいのだけど。素朴な感じがいいのかな。

 なお、アルバムにはボーナスとして早見あかり脱退後に(ライヴでの口パク用に?)レコーディングした「Z Ver.」が収録されている。現時点に比べるとまだ弱いが、旧ヴァージョンとは比較にならないほど成長し、安定した歌唱が聴ける。音楽として聴くなら、このテイク一択だ。

涙目のアリス / ありがとうのプレゼント / 津軽半島竜飛崎 / だって あーりんなんだもーん☆ / 太陽とえくぼ

白秋第一部では各メンバーのカヴァーと、オリジナルのソロ曲が1曲ずつ演奏されるという形態を取っている。今回はソロ曲の方を簡単にレビューする。

 涙目のアリスはアコースティックなアレンジになり、オリジナルより哀愁感が増した。反面、80年代臭さが抜けて玉井との親和性が若干下がったか。ただ、オリジナル音源より歌のレベルは上がっているので上手く対応しているように聞こえる。

 ありがとうのプレゼントは、生バンドによって原曲のトラックの安っぽさが払拭され、杏果も少し上手くなった分、あのどうしようもなく嫌いな感じを受けなくなっている。こうなったところで好きとは言えないけど、オリジナルヴァージョンより遙かに聴きやすい。

 津軽半島竜飛崎は……コレはまあ、特に言うことはない(笑)いつもの高城れにです。原曲とも大きく違わず、歌もまあ相変わらず。コレはこういうものなんだろう。

 問題の(?)あーりんだが、この場でだってあーりんなんだもーん☆を演るという暴挙をもってどうしようもないほどのあーりんぶりを見せつける。ってか、ここでのあーりんとモノノフの弾けぶりを見ると「秋桜」は双方にとってストレスだったのでは……?とさえ思ってしまう。あとシンセ音をアコースティック楽器で再現してるのは面白い。「あーりんりん」のパートを歌うコーラス隊のプロっぷりも讃えたい。

 太陽とえくぼのアコースティックアレンジはなかなか嵌っていて気持ちよい。渋谷系のこういう展開もお馴染みだよね。原曲はMy Ever Changing MoodsだったがここではAll Gone Awayという感じ、と言えば解りやすいだろう。夏菜子の歌に関しては、「初恋」と同じです。来るよなぁ。

秋桜 / 初恋 / 襟裳岬 / 少女人形 / なごり雪 / 神田川 / あの素晴らしい愛をもう一度

初回盤のボーナスディスクとして収録された「白秋」は、ももクロ初のライヴアルバムとして位置づけできる作品でもある。ここでは各メンバーによるカヴァー曲を紹介する。

 秋桜はそもそもこのイベントの契機ともなった曲。以前のライヴでこの曲をカヴァーし、大失態を晒したあーりんのリベンジがイベントの目的の一つだったことは間違いないそれをあえてアタマに持ってきたのはスタッフの意気込みか。
 出来は、勿論前回の失敗を踏まえて比較にならないほど良くはなっているが、まあ音だけで、後から聴いてしまうとひいき目に見ても「それなり」と言うのが限界。特にヘッドフォンで聴くと「うわっ!下手だな!」と思ってしまった事実もあり。ファンとしては暖かく見守りたいが。

 初恋は夏菜子がソロで歌う。彼女の「歌力」が相変わらず良く出ていて、多分このライヴ(勿論未聴の第2部は除く)中のベストパフォーマンス。上手い下手ではなくて伝えてしまうというのが夏菜子の強みで、これだけはもう野生以外の何物でもなくて、努力型の杏果やあーりんには羨むよりほかないのだろうなあ、と、聴きながら思ってしまうのだ。悪いケド、俺は原曲より好き。特に声が。

 襟裳岬は高城がヴォーカル。何故かここでは妙に鼻が詰まった様な声なんだけど、注目したいのは普段のライヴにおける彼女の悪いクセが全く出ていないところ。リズムも外さないし、下手なりに音程も外さない。つまりアレはダンスに気を取られすぎたが故の現象だった、というコトがよく解るのだ。まあ、パフォーマンスそのものは、それなり。それにしてもこの子の声は可愛いね。

 少女人形という選曲は玉井詩織にはベストチョイスとしか言いようがない。似合いすぎてるのはともかく、相変わらずソツのないパフォーマンスで語るべきところが無いのも例の如し。思ったまんまの歌唱がそのまんま出てくるのね。はい、はい、これ、これ、って感じ。玉井も鼻詰まってる?

 杏果はソロではなく南こうせつとのデュエットでなごり雪を歌う。楽曲のセレクトのおかげか、杏果癖(喉治療前)が適度に抑えられて悪くないのだけど、デュエットの弊害としてオリジネイターと直接比べられてしまう不幸が。表現力のレベルの差を目の当たりにされてしまうのは可哀想だが、それでも健闘している感はある。

 ラストの神田川とあの素晴らしい愛をもう一度は南こうせつ中心のパフォーマンスであり、あまり特別にどうこういうものではないだろう。