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2014/08/01

ももクロ夏のバカ騒ぎ2014 日産スタジアム大会~桃神祭~

 ももクロにはすっかり飽きていたし、当分ライヴを見る予定はなかった。ましてや昨年酷い目にあわされたサマーダイブ。金払って不機嫌を買いに行くのか?あり得ない。佐々木敦規の仕事に金を払うなんて選択肢は、おそらく一生無いんじゃないか、くらいに思っていた。

 ただ、Twitterで知り合ったももクロ仲間達は(多分ももクロよりも)好きだし、暫くご無沙汰をしていたし、遠方から来る奴らもいるのが解ってたから、この機会に顔だけでも出して、挨拶できたらいいな、と思っていた。で、帰りは横浜のジャック&ベティで映画でも観て帰ろう、と。

 まあ、そう思った時点でなんかあったんだよね。最近俺はこういう「縁」とか「流れ」みたいなのは信用することにしているし、それで色んなコトがよい方向に進んでいるからそういうものなんだろう。ともあれ、スタジアムに向かう電車の中でTwitterのやりとりをしているうちに、新横浜に着く頃にはライヴを観ることが決まっていた。

 会場に着くと予定通り仲間とだらだら過ごす。まあ、この辺はライヴレポートではないので省略。嬉しい出会いもあったんだけどね。ともあれ、開演の40分ほど前には会場入りする。西日が差し込む会場は異常なくらい暑い。何もしてないのにだらだらと汗が流れる。ライヴ観るつもり無かったからタオルハンカチ2枚持ってるだけだし、不安。

 ステージは定刻、16:30にスタート。とはいえ、いつものメンバー紹介とオープニングフィルムからで、コレはもうワンパターン出しセンスもないし退屈だからやめて欲しい。こっちは暑い中待ってるんだからクソみたいなフィルム流してるヒマあったら歌聴かせろ馬鹿野郎。

 で、まあ、オーバーチュア。からの、なんだか和風の、お祭り風演出はさんでの、ヒダノ修一社中による和楽器をフィーチャーしたアレンジの天手力男からスタート。コレは嬉しい選曲。下馬評ではどどんが節とか言われていたけど、桃神祭というコンセプトにはマッチしている。個人的に好きな曲だしねー。更にワニとシャンプー、黒い週末とたたみかける。狭い日産スタジアムのスタンドで踊るのは厳しいがこの流れではテンション上げずにはいられないのだ。食べながら歌うという演出で黒い週末を雑に扱われている気はしたけど、なんとなく「馬鹿騒ぎ」「夏祭り」コンセプトだからいいか、と思えて、あんまり気にならなかった(但し、あとからこのネタは佐々木によるエビ中からのパクリと聞いて、鼻で笑った)。でもまあ、こういった「縁」で軽い気持ちで入った以上、この3曲でそれなりに満足しちゃって、既に「来て良かったな」と思ってる自分がいる。

 一旦満足するとステージそのものに対する視線はシビアになるんだけど、それによってテンションが下がることはない。3曲でとりあえずおっさんの体力は使い果たしたので少し引いて観る。

 気になるのはステージセット。オープニングフィルムの段階で気付いたけど、正面の三分割スクリーンはクソ。フィルムの段階で「字幕が死ぬほど読みづらいな」って言って笑ってたのだけど、本編に入ると、そこにメンバーのアップを映してしまうと酷いことになることが解る。顔の真ん中ぶった切ったりさ、一番笑えるのが、中央のスクリーンに顔が入ると耳あたりくらいが左右のスクリーンに映るから、異常に顔がでかく見えるんだよ。もう、コレ作った奴(佐々木敦規か)センス無さ過ぎる。

 5億円かけたというセットも微妙。とにかく存在感が平板。中央の神社(?)に全く存在感が無くて、何らかの演出に使われたのもせいぜいD'の純情で悪役が走り回ったくらい。ももクロが上に登ることは一切無かったし、窓の部分におざなりなイルミネーションがあるくらいで中途半端にしか見えなかった。

 この建造物、実際には主にバンドの演奏用ブースとして使われているんだけど、ゲスト扱いの筈のヒダノ修一もこの中にいるもんだから全然目立たないし、あと、建物の中のバンドがスクリーンに映ると、全然関係ないスタジオで淡々と演奏しているだけ、って印象に見えて、つまり全然ライヴ感が無いのね。

 で、この建物を含むメインステージから、飾り気のない通路が周囲に張り巡らされてアリーナ後方にサブステージ。通路の途中にはいつものリフト。サブステージの舞台はせり上がり式、と全く普段と代わり映えのない構成で、佐々木の引き出しの無さを露呈。まあ、余計なコトやらない分逆に良かったと言うのも圧倒的にホントだけどね。むしろ佐々木が引き出しを使い果たしたことに感謝、か。

 ちなみに今回は普通にアリーナに客が入れられていて、つまり去年のアリーナの使い方は国立競技場使用に向けたポーズだった、と言う事実も露呈したんだけど、アリーナ中央に花道がないから、メンバーは常に周辺の通路で移動することになる。当然反対側のメンバーは見えないし、スクリーンのカメラワークが悪いから移動を始めるタイミングが、画面観てると解りづらくて、気付くと生のメンバーを見失ってることが多々あった。曲が終わってから「なんだ、サブステージで歌ってたのか」なんてコトさえ。

 まあ、俺が3割近くの時間座ってた(=スクリーンしか見えない)せいもあるとは思うんだけどさ。

 4曲終わって気付いたのは、MCが凄く聞き取りやすかったこと。今まで観た大会場のライヴはどれもMCが反響しまくって、しかも若い女の子のとりとめないキャピキャピ会話だから何言ってるか全然解らなかったんだけど、今回そういう瞬間はなかった。あと、もう少しライヴが進んでから気付くんだけど、トラック使ってる曲とバンドがやってる曲での音圧差も気にならなかったのね。それは何故か、と考えたら、多分全体の音量が低めに抑えてるんだ、と。だから音響的には聴きやすかったけど、コールに全部がかき消される曲も多かった(特に座ってるともうステージの音は殆どきこえない)し、堂々平和宣言とかみたいな踊りたい曲で低音が出てこない。だからこの辺は痛し痒しだったね。客が騒がなければ聴きやすくて、良かったんだけどなー。

 随分長文になったけどまだ5曲目だ。

 Contradictionを久々に聴いたのは良かったけど、次の泣いてもいいんだよはやっぱりどう聴いても退屈。それから休憩タイムに入ったので飲み物補給に出たら、もう長蛇の列。このタイミングでMCって解ってたら曲の途中で出れば良かったよね。しかし並ぶうちに「熱さ対策としてのかき氷」を発案した。天才である。シロップをかけないかき氷は食べて良し、身体にかけて体温を下げるも良し、の万能薬である。真似するように。ただ、ドリンク列に並んでる間に笑顔百景とどどんが節が終わってしまった。まあ、この2曲ならいいか。結局客席に帰ったのはココナツの途中。なんか変なテンションで踊りながら客席戻ったなぁ。

 キミとセカイ、サラバ、労働讃歌のパートは非常に盛り上がるんだけど、もはや安定。続いて「アメリカからのメッセージが」と言うんで、このタイミングだし、まさかレディ・ガガ!?と期待したら田中将大。「なんだ野球かよ」って呟き着席。そのままMy Dear Fellowで、なんかこの曲田中に向けて作ったとかそういうのらしいね。ふーん、って感じで盛り上がりもせず。ここから川上アキラ〜ボイストレーナーの登場までの流れが個人的には一番テンションダウンした瞬間。どうもスタッフが前面に出る展開嫌いなんだよな。なんか最近川上アキラ嫌い。
 
 この辺まで観てて、特にこういうインターミッション観て思うんだけど、なんとなくもう納得しちゃったというか、良く言えば安定感、悪く言えばマンネリ。「あ、もうこれ以上の展開はないな」「悪くもならないだろうけど良くもならないな」と思ってしまったのは事実。多分、佐々木敦規に演出させてる以上これが限界で、良くも悪くも新しい展開が必要なら彼をクビにする以外の道はない。

 まあ、メンバーにも非がないと言ったら嘘になるんだけど。雑さは目立ったな。楽しそうで、気楽そうで、しかも安定してる分雑に見えた。行き届いてない感じ(特に玉井)が目立ったな。高城は相変わらず真剣勝負感じたけどね。

 閑話休題。衣装替えしてNeo Stargate。もうイントロ(カルミナ)はいいんじゃないの。なんかだれる。そして相変わらず使い勝手のいいLost ChildでなんとなくEDM的なパート。踊りどころですな。この辺で思ったのかな、ああ、高城ってすごくいい声してるな、って。前から思ってはいたけど、なんか実感した。
 
 ここでMCから新曲紹介コーナー。セーラームーンのOP/EDらしく、俺はここではじめて聴くのだけど、Moon Prideはセーラームーンとももクロの折衷点、という感じの可もなく不可もない、まあ要するに両方のファンが安心する落としどころで作りました良いお仕事ですね、って言う感じ。月虹は、なんかつまんないバラード。5th Dimension収録曲でももクロのバラードのレベルが一気に上がったと思ってたけど、また戻っちゃったなー。そのままコノウタに続くんだけど、まあこのブロック、俺は座ったまま。
 
 まあ、個人的意見としては「セーラームーンを意識した衣装」「美少女戦士になった気分」って言うなら、ちゃんとレオタード系の衣装にして玉井詩織の脚線美をがっつり見せなさい、と。中途半端なんだよ。脚見せろ脚。脚だよ。玉井の脚見せないでどうするんだ。

 MCからの流れで、杏果の加入5周年の話になると、客席は緑のライト一色に染まる。が、ここで杏果はひたすら余裕の表情。コレが俺的には「おおっ!」ってなったね。当然、いつもなら号泣の展開じゃん。それがもうね、「ふーん」って顔なのよ。杏果は終始楽しそうだったし、気楽そうだった。それは凄く良かったと思う。

 で、天竜源一郎登場となるんだけど、個人的には彼のしゃがれ声をいじる展開はどうかって思うんだよねー。ご本人の懐の深さで成立してる演出だよなー。まあそれはともかく、玉井のビンタは破壊力を増してたね。奇しくも黄色のTシャツを着ていた天竜とビンタ共演して欲しかった。清野氏は死ぬだろうけど。眼鏡見つかって良かったねえ。

 ラストはDNA、そしてまたしても新アレンジの走れ!。展開を変えるとついて行けないモノノフに笑ったが。俺の問題点はアレだよね、ももクロ的には終盤で最高に盛り上がる筈の走れ!とかあの空とかコノウタとか、こういう曲があんまり好きじゃないところだよね。尻つぼみになっちゃうんだよな、いつも。

 とは言え、アンコールはアレが来る!と思いながら再登場を待つ。そして、オーバーチュア的なのに導かれつつ、和風新アレンジを施した怪盗少女でアンコールはスタート……なんだけど、このアレンジあんまり良くないよね。グルーヴがなんか纏まらない。バンドと和楽器隊のすりあわせ不足は随所で感じたな。そして終盤をせり上がったサブステージで歌うんだけど、なんか足場悪そうでジャンプが心配だったのと、ラストで遠くに行っちゃわない杏果に物足りなさを覚えたりも。

 次が鋼の意志とキミノアトで、退屈。鋼始まる前の煽りのMCで、次の曲が何か気付くにつれテンションが下がる俺がいる。周囲が拳を揚げる中、ひとり着席する。アンコールなのにつまんねー曲やるなよなー、って思いつつ。でも「最後はアレに違いない!」と思いながら立ち上がると。

 あれ?チャイマじゃないの!?猛烈!?……うーん、まあいいや!コレもまあ好きだし。そういえば本編で演ってなかった。しかし猛烈EPからの皆勤率高すぎないか。毎回3曲揃って演ってる印象がある。終盤は例によってメンバー紹介で引き延ばす。でもチャイマや労働ほどガツンと嵌らないんだよなー。悪くないけどねー。

 高城の早変わりについても触れる必要があるだろう。前回の失敗のリベンジがしたい、と同じ衣装で挑み、あえてネタを仕込むもスカートを脱ぐのに失敗しネタは滑り気味。そして、下に履いたトランクス風衣装には突っ込みが入るも、何故かスタッフTシャツ(前の曲の最中既に見えていた)に関してはスルーされるという仕打ち。

 ラストのMCも感動を排除したぐだぐだなもので、去年のツアーの馬鹿っぽさを思い出して良かったな。特に夏菜子の(自己紹介の二十歳コールも酷かったが)客を馬鹿にした態度は磨きがかかっている。多分この子は本当にアイドル界の頂点に立っているな。馬鹿、と言う意味で。

 あ、最後に。触れ忘れてましたけど、結局今回の感想を集約すると「あーりん可愛いな」ってコトでした。

2014/06/09

My Dear Fellow

アイドルファンの立場で見れば一番親しみやすいと思える、シンプルなJ-Pop的メロディとアレンジの曲。

 勿論、俺は苦手のパターンなんだけど、最近の大仰路線が嫌いすぎてコレが妙に収まりが良く感じるのも事実。「ああ、アイドルはこういうコトやってるのが正しいのだなあ」という気分になってきた。

 ただ、収まりがいいのはつまり過去の楽曲を適当に焼き直した感じだから、と言うのも事実。Battle and Romanceのなかで埋もれていた曲、と言ったら信じてしまいそうだ。それが決して悪いことではない、と思えるようになったのがこっちの心境の変化なワケだが。

 要するに3曲通して聴いて言えるのは、現在のももクロが音楽的には完全に行き詰まっている、っていうコトなんだろうな、と思う。きっとコレからは歌手と言うより、お茶の間にお馴染みのタレントとしての活動に力を入れるという宣言なんじゃないかな。

堂々平和宣言

5 the Powerに続く2曲目の本格(?)ラップナンバー。

 チープなエレクトロニックサウンド、ちょっと初期コンセプト回帰を感じる和の香り、そしてラップ、と気を引く要素が悪くないバランスで組み合わされている。

 のだけど、5 the Powerに比べてメンバーそれぞれの個性、っていうか存在感を生かそうという意志が希薄で、どのパートを誰が歌っても一緒でしょ?っていう気分になる。居心地はいいし、聴きやすいんだけどね。一曲目が酷いからなんとなくほっとするんだけど、冷静に聴くとどうにもパッとしない。

 シングルB面曲、っていう捉え方をすればワリといい塩梅なのかも知れない。

泣いてもいいんだよ

中島みゆき作曲による、あくまで個人的見解ではあるが、ももクロ史上最悪のシングルリードトラック。

 レビューするのも嫌なほど酷い。もう「大嫌い」としか言いようがない。いいとか悪いとかじゃなくて、受け付けない。苦しいのは誰ですか、だと?俺だよ。

 とにかく有名人起用による話題性優先パターンと、無駄に大仰なだけで何も感じさせないアレンジが最低の形で出会った作品。良い部分が一個も見つけられなくて、泣いてもいいんだよ、と言われたら確かに泣きそうだ。こんなものに金を払った、と言う意味で。鋼の意志より、もリフより遙かに嫌い。聴いているとイライラしてくる。サックスが嫌。ストリングスが嫌。メロディが嫌。杏果の歌い方が嫌。何が「そーりゃ」だ。エンディングが70年代のアニメ主題歌みたいで、その瞬間だけ救われる。それとも「やっと終わった」って言う喜びかな?

 叩いてもいいんだよ。

2014/06/02

ムーンライト伝説 / タキシード・ミラージュ

セーラームーンのトリビュートアルバムに提供された2曲。

 このアニメに対して思い入れどころかただの一回さえ見たことのない俺でさえ知っている有名なオープニング曲、ムーンライト伝説をストレートカヴァー。ストレートすぎて特筆することが何一つ無いが非常に安心感のある(=可もなく不可もない)カヴァーに仕上がっている。こういう昭和臭いメロディがももクロとの親和性が高いのは今更言うまでもない。

 タキシード・ミラージュの方は全く知らない曲なのだけど、個人的には非常に苦手なタイプのバラード。玉井がこの時期にしては驚くほど不安定な音程でオープニングを飾る。他のメンバーの歌も妙にやっつけ仕事?

 とはいえ、最近の無駄に大仰で、話題性だけを狙ったような作品群と比べると良い意味で力が抜けていて、個人的に「アイドル」という物に求めていた空気感が久々に帰ってきたような、そういう緩い存在感は決して悪くない。

 よりによってももクロ初の7インチシングルが切られた、と言うコトは特筆しておきたい。

2014/02/02

鋼の意志

アルフィーの高見沢俊彦作曲の、アルフィーみたいな曲。使い回しという話は多方面から聞いたが、幸か不幸か原曲になっているアルフィーの楽曲を俺は知らない。

 泣いちゃいそう冬が思ったより聴けたので油断していたら地雷はここに潜んでいた。いや、地雷って言うか、ヤバそうとは思ってたんだけど、個人的嫌い度は広瀬の方が遙かに上だからさ、高見沢はまあ、布袋レベルより少し低いくらいのロックナンバーかな、って思ってたわけですよ。

 なんだろうね、この退屈は。コレも最初に聴いたのがLVだったんだけど、動きのない振り付け(スタンドマイク使用)と相まって躍動感もグルーヴも何も感じない、異様につまらない曲に感じた、と言うのが第一印象。

 CDで聴いてもあまり印象は変わらない。サビの聴きづらさが少し緩和されたかな、という程度。曲としてはまあ、ももクロ的には今まで無かったタイプの歌謡ロックなので、なんとなく新鮮味も感じるんだけど、漠然とした押しつけがましさ(体育会系的?)が楽曲全体に漂っていて、Chi-Maxxや労働讃歌のようには乗れないのだ。

 サウンド、特にドラムパートの安っぽさが久々に気になる。最近の作品ではこういうロック的な曲は生バンドを使うことが多かっただけに、高見沢のギター以外基本的に打ち込みなのが妙に貧乏臭さと違和感を持って聞こえてくる。2011年までのももクリシングル同様の「予算不足感」が漂ってしまう、悲しい曲。

泣いちゃいそう冬

クリスチャン・ラッセン先生謹製のありがたいジャケットに包まれ、豪華超大物作曲陣を迎え制作されたももクリ限定盤シングルの2013年版。リードトラックは「冬の女王」こと広瀬香美作曲で……

 ああっ!やめやめっ!!

 今回のシングル、リリース前の「期待できない感」は半端無かった。もう全ての要素が嫌な予感しかしないという恐ろしい人選。発表されたアートワークも「ラッセンライブラリから適当に素材持ってきて切り貼りしました」って感じだし、現物を見たら表は仏教(?)裏はフリーメイソン(笑)という出鱈目具合。もう腰砕けにも程があって逆に名作の予感がしてくると言う……

 ラッセンをこき下ろすのはこの辺にしておこう。このブログはあくまで楽曲のレビューが目的だ。

 広瀬香美は春の西武ドームで我々にトイレに行く時間を提供してくれた恩人である。そんな人がももクロに楽曲を書き下ろすんだから悪い予感しかするわけもなく、実際聴くまでは「例の曲芸」でメンバーに負担を掛けまくる曲になると思っていた。

 えーとね、正直言うと、そんなに悪くない。いや、俺が酷いのをイメージしすぎた、というのはあると思うし、実際かなりキツい曲だとは思う。出だしの「いつの時代だよ!」って言いたくなる「泣いちっち」で聴き続ける結城が挫けそうになるし、サビのどうしようもない歌詞を無駄に詰め込んだパートを聴いているとこっちの方が泣きそうになる(情けなくて)。

 だけど、最初に聴いた環境が良かったのかな。「俺の藤井」のLVでなーんとなく聴いたら、メンバーは可愛く見えるし、そんな悪い印象は持てなかったのだ。まあ、家で音だけ聴いてるとやっぱり、相当しんどいけどな。

2014/01/28

ももいろ太鼓どどんが節

他の2曲に先行し、サマーダイブで新曲として公開された曲で、作曲と演奏を怒髪天が担当している。和太鼓でヒダノ修一も参加。ゲーム「太鼓の達人」とのタイアップ曲で、例によってタイアップをカップリングに回すというパターンが貫かれているのは痛快。

 とはいえ、個人的には怒髪天のことは何にも知らないのでその辺を語ることは出来ない。ただ、GOUNN同様の「楽曲派を唸らせる起用」であるにもかかわらず、演奏面ではオーソドックスにポップなトラック作りに徹しているので、記名性は比較的低いんじゃないかと思われる。「いや、だれが聴いても怒髪天丸出しだよ!」っていう意見もあるかと思うが、ソレは俺には解らない。

 暴れ鬼太鼓からの流れか、太鼓シリーズ第二弾として高城のヴォーカルから始まり、全体的にも彼女が目立っている印象。個人的には楽曲毎にこういう偏りがあってもいいと思っているので、非常に歓迎すべき傾向。ソロ曲じゃなくて、誰かがリードヴォーカルで、他のメンバーが脇に回るっていう感じがあっても面白いじゃない。

 閑話休題。

 この曲が今回の3曲で一番バランスがいいと思う。ポップで解りやすく、楽しくて、サウンドもシンプルで、メンバーの色もそれなりに出て、それでいて楽曲派(笑)にも満足感を与えられるという。どうしてもコレをメイントラックには出来ないのね、という感覚は、もどかしくもあるなぁ。

2014/01/27

いつか君が

事ある毎にライヴやテレビで共演してきたmiwaとの、録音物としては初のコラボレーションとなる作品。また、「あの空へ向かって」以来久々に歌詞をメンバー自身が手がけたことも話題になった。残念ながらmiwaクロでなく、ももいろクローバーZ名義でのリリース。

 ファンの間では待望された作品と言っても過言ではないが、残念ながら曲の出来は平凡。「あの空」もそうだし、「オレンジノート」や「走れ!」と殆ど区別が付かない「何の変哲もないJ-Pop」だ。決して悪い曲、と言うわけではない。好き嫌いで言えばオレンジノートなんかより遙かに好きだし、聴いていてそこそこ心地よい面もある(ソレは俺がももクロのファンとして「慣れて」きたという意味でもある)のだけど、最初から最後までフックは全然無いし、聴き終わったらメロディが脳に残ることもない。聴き飛ばして終わりの使い捨てポップス。リリース後なんとか2回くらい聴いたけど、レビュー書くためじゃなかったら意識的に聴き返すこともなかったと思う。

 とは言え、GOUNNで食傷気味になった耳には非常に居心地がよい。特にライヴで見ると、メンバーが可愛く見えるというのはアドバンテージか。テレビとLVで観て少しそう思えたね。要するに、アイドルに「癒し」(言葉としては大嫌いだが)的なものを求める面がある人間にとっては、こういう平凡すぎるポップスがむしろ丁度良いのかも知れない。オレンジノートの時のような酷評が出来ないのはそういう理由がある。

 せめて、もう少しだけ良い曲だったら積極的に聴くんだけどな。

2014/01/21

GOUNN

GOUNNツアーで発表された新曲にしてツアーのタイトルトラック。シタールやタブラを使ったサウンドからNARASAKIの曲かと思ったが、実際には無名のシンガーソングライターの作品だった。

 リリース前に「豪華」演奏陣(NARASAKI、ASA-CHANG、ハマ・オカモト、ピエール中野)によるバックトラックが公開されたことも話題になったが、なんとなくそういう「音楽通を唸らせる」演出行為が鼻についた感があった。確かにメンツには驚いたし、凄いとは思ったけど、5th Dimennsionの頃から顕在化し始めた「楽曲派」を意識したサウンド作りとそれを話題として前面に打ち出す姿勢にはあまり良い印象は無かったな。なんかやたら話題になって「トラックだけで凄い」みたいに散々言われたけど、個人的には、バッキングだけ聴いてもやたらうるさくて、何にもいいと思わなかった(あくまでトラックの話。俺はツアーで完成形を聴いていたから曲が悪いと思ったわけでは、無い)。

 そういうバックボーンと完成品としての曲の評価は全く別の話。サイケデリック・ロック meets 80年代歌謡曲という趣の楽曲そのものは、特に最初ライヴで聴いた時には素直に「いい曲」と思えた。メロディはシンプルでキャッチーだし、ツアー同様仏教的世界観を打ち出した歌詞は、意味よりサウンドとして曲に溶け込む。トラックのみでは音数が多すぎて過剰と思われたハマ・オカモトとピエール中野のリズムトラックはヴォーカルが乗ると不思議なくらい丁度いい塩梅に収まる。そういう意味ではとても良くできた曲だと思う。ちょっとキミとセカイを思い起こさせるメロディも顔を出し、古くからのファンの気持ちも絶妙にくすぐるんじゃないかな。

 だけどこの路線、つまり「労働讃歌」あたりからの、どんどん過剰さを増し、派手に、複雑に、豪華に、長く、てっていう楽曲の方向性にはそろそろ飽和を感じ始めていて、正直繰り返し聴くうちに、この脂っこさに胸焼けしてしまう。要するに、俺は飽きてきたんだよね、「楽曲派」好みの音にさ。テレビサイズで聴くと適度にくどくなくて逆に丁度いいってのは皮肉だ。

2014/01/10

3Bjunior Live Final "俺の藤井"2014(LV)

某所で「俺の藤井」LVを観てきた。どこで観たかは秘密。

 勿論、ももクロ以外はようやくエビ中を聴き始めた程度。勿論「藤井」が誰かも知らない。場としては基本アウェイなんだけど、映画館と言うことで座ってゆっくり観よう、というスタンスで。しんどければ外で休んでもいいか、程度の気分で観ることにしていた。まあ、結果としては全部観てしまったんだけど。

 行く前にも「幼女芸能に耐えられるか」という話を同行者としていたのだけど、オープニングのみにちあベアーズはまさしくそれであった。でも、楽曲とサウンド及び見せ方のコンセプトが思いの外しっかりしていて、予想外に見やすかった。曲も適度にファンキーで悪くない。チアという方向性のおかげで歌わないメンバーが無駄になってないのはいいことなんだろうな。

 次のたこやきレインボーが観ていて一番しんどかった。色分けのせいでももクロ、しゃちの更なる焼き直しに見えてしまうこと(なにわのはにわは猛烈のパーツをばらして組み直しただけの曲だ)、無理に「面白い大阪人」を演じようとして空回りしている感覚、それに、トラックの音像が異様にぼやけていて、歌も含めて何を演ってるのか全然解らない。音数が多すぎるのかとも思ったが、しゃちやももクロはもっとクリアだったからこのグループの録音の問題だろう。これはちょっと、コンセプト、サウンド共に色々見直してあげないと不幸な結果になりそうな予感。

 KAGAJO 4Sは既に解散が決まっているという。基本的に可愛い子の集まりだなぁ、とは思ったけど、まあ取り立てて引っかかりもない、先輩格に当たる他の連中と似たような路線をより地味に展開している印象。一番一般ウケのしそうな綺麗な子が全く歌が歌えていない、ってのもなぁ。言っちゃあ悪いが、限界を感じる。

 チームホタルイカは「子供がいっぱい出てきたなあ」「全員マイク持ってるけどワイヤレスのチャンネル数足りるのかなあ」というイメージだけ。続いて出てきたチーム大王イカは「歌の下手糞な子を集めたグループなのかなあ」という印象。そしてこの「イカ」というコンセプトはいったいなんなのか。あと、大王イカ終了後のオチのない小芝居はどうやらエビ中の展開に関わるネタだったようで。

 卒業式はまあ、そういうもんでしょう程度の。一人凄い美人が居たなぁ。しかし他の子達と比べると玉井は異質だ。他の3人(誰かは知らん)は所謂美人タイプ。もう明らかに一人だけ育ちが悪そうというか(実際にどうかという話しではない)。それはともかく、「今でしょ」ネタは勘弁して欲しかった。

 後半戦はチームしゃちほこから。オープニング曲、いいくらしはどうやら新曲だったらしいんだけど、コレがまるっきり90年代初頭の、まるでXLからリリースされたかのような完璧なハードコアテクノでグッとくる。同行者と二人して大喜び。勿論303サウンドも登場。俺一人だけ「Aciiiiiiiiid!!!!!」ってなってたのだけど、しゃちの熱心なファンと思われる連中さえ棒立ちでぽかーんとしている。やっぱりアイドルファンは踊れないのだなぁ、と思ってしまういつものパターン。でも、この曲はリリースされたら買いたい。
 他の曲はワリと普通だけど、パフォーマンス的に前半の連中とはレベルが違うな、と思わされた。同行者に言わせると、少し前までは全く駄目だったらしい。成長に驚いていた。期待していた「気狂いじみた曲」こと愛の地球祭は演らなかったのが残念。

 私立恵比寿中学は最近少しずつ興味を持っていたのでそれなりに楽しみにしていた。まあ、俺が大好きなAnother Dayを演らないのは予想済みだけど(フィーチャーされてる子が脱退するって言うから彼女の見せ場としてやることを微妙に期待してた、と言うのも本当)。
 メンバー脱退を控えている状態だったけど、それには特に触れず(おそらく)通常のパフォーマンスを見せて来たのはアウェイな立場としては有り難かった。ここでウェットになられるとこっちは置いてきぼりだからね。
 残念ながら俺の馴染みの深い曲はあまりやらなかったけど、誘惑したいやはいい曲だと思えたし、アルバムで全然いいと思わなかった放課後下駄箱ロックンロールMXがかなり楽しめた。ほうきにフェンダーのストラップが付いていたのには笑った。そして、特に曲終盤での(エア)ウインドミル奏法はフーの大ファンとしても満足出来る腕の振り。あのパフォーマンスすることを許可する。

 ももクロの前に特別ユニットが2曲。ってか、もっとやるかと思ってたら二組で終了。最初のは杏果と、エビのショートカットの子と、しゃちの子らしき3人組で、てんかすトリオと言うらしい。比較的歌が上手い子を集めたユニットのようだ。楽曲はまあ全然面白くないんだけどエビの子が着てた衣装が良かった。可愛いようでちょっとフェティッシュなタイトなラインを見逃す俺じゃないぜ。
 もう一組はエビ二人、しゃち、たこやき(多分)と思われるメンバーでチーム東名阪と名乗りなんかお正月っぽいオリエンタルな曲を歌う。まあ楽しいんだけどそれだけ、というような、お祭り用。
 2曲ともオリジナル曲だが、各グループの所属レーベルの関係から、リリースはあるのだろうか?商売的にはこのまま捨てるのは勿体ないが、純粋に曲としては別に捨ててもいいんじゃないかという感じの2曲だった。

 そしてももクロ。やっぱり格というか、場慣れ感が全然違う。卒業式より前登場グループと、しゃち、エビと、ももクロっていう3組に分けて考えた方がいいのかな。このレベル差、と言う意味では。厳密にはしゃちとエビにも格の差を感じたけど、まだ同じ括りに入れられるレベルな気がする。
 選曲も、他のグループのファンも多い場だというのにヒット曲オンパレードは避けていきなりBirth O Birth、仮想ディストピアという流れ。そしてももクリ新曲の泣いちゃいそう冬。広瀬香美作曲と言うことで、さぞかし糞だろうと思って聴いたらそれほど悪くない。いや、つまんない曲だけど、メンバーが可愛く見えるから良いかな、と思った。それはmiwaのいつか君がも同じ。そういえばこの曲で斜め下からのアングルで高城が映ったとき、miwaに似て見えたな。それとどの現場でも空のカーテンで踊ってるのが俺一人、って状況はどうにかならないのか。
 後半は労働讃歌、怪盗少女と、ようやくヒットソングを持ち出す。流石に盛り上がりは凄くなったが、MCを挟んで新曲の鋼の意志を演ったところでテンションダウン。なんだか妙に退屈な曲で、スタンドマイクのせいでメンバーの動きもないし、サビの音程が変だし、なんかいいところが一個もない感じでこの曲がラストってのは酷いな、と思った。

 このあとアンコールという形を取るかと思っていたのだけど、そのままももクロが全出演者を呼び込むかたちで新曲七色のスターダストを歌う。こういうコールとかうりゃおいとか入れようのない曲はいいなぁ、と思いながら聴いていたことは秘密だ。俺、この曲結構好きよ。普通で。

 最後は出演順に退場。エビと一緒に高城、夏菜子がはけようとしたり、ラスト卒業生チームで締めようとしてネタに詰まり、またしても「今でしょ」をやってしまう玉井など、まあグダグダなのはこの連中、多分この事務所全体の持ち味なんだろう。

2014/01/06

アタシハアイス

「全曲解説」を謳うならこの曲を避けて通ることも出来ない。とは言え、現状としては非常に微妙な存在とも言える楽曲だ。

 スマートフォン用アプリ「爽快!ももクロフタの上ツアー」及びTVCMでのみ発表された曲で、現時点で聴けるのは2分にも満たないヴァージョンのみだ。エンディングの雰囲気や、推され隊と夏菜子のソロヴォーカルパート(夏菜子は台詞部分があるが)が登場しないところから推測するに、フルヴァージョンが存在するものと思われ、その発表が待たれる。

 楽曲としてはシンプルかつポップで楽しい曲。最近の小難しい「楽曲指向」に慣れた耳には拍子抜けするほどポップ。CMではラップ(?)パートのみ使われているが、メロディのあるパートの据わりの良さはなんとなく「ももクロってこういうグループだよな」って思わせてくれる。

 作詞は嵐田光なる人物が手がけたようだが、何故か作曲者は公表されていないようだ。その辺の成り行きも不明。なんにしても、是非そのうちなんらかの形でリリースして欲しいなぁ。


2013/10/30

5th Dimension

自分でも僅かに感じていた違和感は友人の指摘ではっきりした。楽曲単位のレビューだとどうにも絶賛してしまっているのだけど、俺自身この「5th Dimension」というアルバムに対してはどうにも微妙な思いをぬぐい去れないのだ。

 リリース当時、このアルバムは「アイドルらしからぬ、音楽的に充実した作品」という扱いだった。いや、まあ、それは正しいのだと思う。「アイドルとしては」挑戦的かも知れないし、様々な音楽ジャンルに挑戦し、豪華作曲陣を迎えたアルバム作りは多方面から絶賛されたし、実際、楽曲レビューで書いたとおり、俺自身も好きな曲が多いし、ライヴで踊りやすいビートを持った曲が多いから非常に居心地がいい作品であることは全面的に認めざるを得ない。もの凄く聴きやすいし、踊りやすいし、すんなり自分の中に入ってくる。変な曲は一曲もない。どの曲も良くできたポップソングで、メロディ、アレンジともに申し分ない。

 そう、問題は「居心地がいい」ってところなのだ。

 要するにね、このアルバム、アイドルファンから見たら「凄い」かも知れないんだけど、音楽ファン(ちょっと感じの悪い表現だがあえて今回はこの表現を軸に置く)の側から見たらもの凄く「普通」なアルバムなのね。つまり、フックがない。俺が最初に触れたももクロがコレだったら、多分ファンにはならなかったと思う。「ふうん、アイドルが面白いことやってるんだね」が関の山だろう。

 5th Dimensionを聴いて「なんだこりゃ!?」という衝撃は一切無い。聴き慣れたサウンドで気持ちよくダンスできる作品群。悪い曲は一つも入っていない。違和感がある曲も無い。どの曲も当たり前のポップソングで、すぐ慣れて、忘れてしまう。一曲の中には一つの要素。楽曲としては非常にスマートで整合性がある。久しぶりに聴いたら適度に気持ちいいけど、それだけだ。
 このアルバムはあくまで「既にももクロに触れているファン」の為の物で、新規ファンを、少なくとも音楽ファンから引き込むにはあまりにも物足りない。

 音楽ファンを舐めないで欲しい。俺達は「怪盗少女」や「ミライボウル」のいびつさや過剰さに衝撃を受けたんだ。サウンドは安っぽいし、曲は稚拙な物もあるけど、インパクトは凄かった。「なんだこりゃ!?」と思ったから彼女たちの発言や、普段の姿や、他の曲や、ライヴへと、どんどん興味を深めていったんだよ。

 コレが結論のつもりで個々まで書いて一日置いてみた。

 逆に考えたらどうだろう?アイドルファンから音楽ファンへの通り道、にはならないかな?5 the Powerからヒップホップへ、猛烈からヘヴィメタルへ、ゲッダーン!からテクノポップへ、Neo StargateやBirthからダンスミュージックへ、銀紙からサイケポップやプログレへ(え〜?)等々……

 ももクロファンがそこまでするのか、という考えも本当だけど、逆に音楽ファンがこうやって辿ってきた道を逆に辿っていくアイドルファンがいるかも知れないよ。それは素敵なことだと思うし、そうなったら嬉しいと思うね。俺の希望的観測でしかないけどね。まあ、ポジティブな言葉でこの文章を終われて良かったよ。

2013/10/22

ラフスタイル for ももいろクローバーZ

オリジナルヴァージョンのレビューを書いたとき俺は「大化けするとは考えにくいけど、もし出来るなら、今のももクロで聴いてみたいとも思う。」と書いていたコトはコメントされて思い出したのだけど、まさかそれが実現するとは思わなかった。しかもまさかのバラードアレンジ。ある意味「大化け」したわけだが。

 いや、実際には本当に「大化け」している。アレンジはともかく、オリジナルと聴き比べると歌唱力そのものは言うまでもないんだけど、歌を歌おう、表現しようという気持ちが雲泥の差だというコトが解る。ってか、こうやって比べちゃうとオリジナルは歌じゃないよね。カラオケレベル以下。

 サウンドは白秋〜5th Dimensionを踏まえた生バンド/アコースティックサウンド。面白いのは、実はアレンジは大きく変わったが演奏時間が同じで、テンポも殆ど変わっていないこと。コレはある意味マジック。聴かせ方でテンポ感まで全く違うように聞こえるのだ。

あの空へ向かって / あの空へ向かって(Z Version)

入り口のない出口収録曲に関しては今回初登場の曲に関してのみ扱うことにする。既発の曲に関しては各シングルの項を参照のこと。

 この曲には幾つかのヴァージョンがあるのだけど、このアルバムに収録されたのは固定メンバーになってからの録音。ネットで聞いたコトがある初期メンバーによるヴァージョン(シャレにならないレベルで下手糞・笑)よりは遙かに安定した歌唱になっている。それでもまあ、かなり下手糞だけど。

 歌詞は初期メンバーが書いたもので、ソングライティングにメンバー自身が参加したものとしてはなんと、コレが現時点で唯一となっている。

 オレンジノートや走れ!と並び、ファン人気の高い曲の一つで、古株のファンほど思い入れも強いのではないだろうか。初期曲で、スタジオ版公式発表が遅く、常にエンディング近くで演奏される、と言う意味ではウイングスで言うところのSoilyにあたる……というのはでかく出過ぎました。

 さて、こういった物言いから俺はこの曲が嫌い、と言う流れかと思いきや、コレが意外に悪くないと思っているのだ。何がどう、という説明はしづらいのだけど。素朴な感じがいいのかな。

 なお、アルバムにはボーナスとして早見あかり脱退後に(ライヴでの口パク用に?)レコーディングした「Z Ver.」が収録されている。現時点に比べるとまだ弱いが、旧ヴァージョンとは比較にならないほど成長し、安定した歌唱が聴ける。音楽として聴くなら、このテイク一択だ。

涙目のアリス / ありがとうのプレゼント / 津軽半島竜飛崎 / だって あーりんなんだもーん☆ / 太陽とえくぼ

白秋第一部では各メンバーのカヴァーと、オリジナルのソロ曲が1曲ずつ演奏されるという形態を取っている。今回はソロ曲の方を簡単にレビューする。

 涙目のアリスはアコースティックなアレンジになり、オリジナルより哀愁感が増した。反面、80年代臭さが抜けて玉井との親和性が若干下がったか。ただ、オリジナル音源より歌のレベルは上がっているので上手く対応しているように聞こえる。

 ありがとうのプレゼントは、生バンドによって原曲のトラックの安っぽさが払拭され、杏果も少し上手くなった分、あのどうしようもなく嫌いな感じを受けなくなっている。こうなったところで好きとは言えないけど、オリジナルヴァージョンより遙かに聴きやすい。

 津軽半島竜飛崎は……コレはまあ、特に言うことはない(笑)いつもの高城れにです。原曲とも大きく違わず、歌もまあ相変わらず。コレはこういうものなんだろう。

 問題の(?)あーりんだが、この場でだってあーりんなんだもーん☆を演るという暴挙をもってどうしようもないほどのあーりんぶりを見せつける。ってか、ここでのあーりんとモノノフの弾けぶりを見ると「秋桜」は双方にとってストレスだったのでは……?とさえ思ってしまう。あとシンセ音をアコースティック楽器で再現してるのは面白い。「あーりんりん」のパートを歌うコーラス隊のプロっぷりも讃えたい。

 太陽とえくぼのアコースティックアレンジはなかなか嵌っていて気持ちよい。渋谷系のこういう展開もお馴染みだよね。原曲はMy Ever Changing MoodsだったがここではAll Gone Awayという感じ、と言えば解りやすいだろう。夏菜子の歌に関しては、「初恋」と同じです。来るよなぁ。

秋桜 / 初恋 / 襟裳岬 / 少女人形 / なごり雪 / 神田川 / あの素晴らしい愛をもう一度

初回盤のボーナスディスクとして収録された「白秋」は、ももクロ初のライヴアルバムとして位置づけできる作品でもある。ここでは各メンバーによるカヴァー曲を紹介する。

 秋桜はそもそもこのイベントの契機ともなった曲。以前のライヴでこの曲をカヴァーし、大失態を晒したあーりんのリベンジがイベントの目的の一つだったことは間違いないそれをあえてアタマに持ってきたのはスタッフの意気込みか。
 出来は、勿論前回の失敗を踏まえて比較にならないほど良くはなっているが、まあ音だけで、後から聴いてしまうとひいき目に見ても「それなり」と言うのが限界。特にヘッドフォンで聴くと「うわっ!下手だな!」と思ってしまった事実もあり。ファンとしては暖かく見守りたいが。

 初恋は夏菜子がソロで歌う。彼女の「歌力」が相変わらず良く出ていて、多分このライヴ(勿論未聴の第2部は除く)中のベストパフォーマンス。上手い下手ではなくて伝えてしまうというのが夏菜子の強みで、これだけはもう野生以外の何物でもなくて、努力型の杏果やあーりんには羨むよりほかないのだろうなあ、と、聴きながら思ってしまうのだ。悪いケド、俺は原曲より好き。特に声が。

 襟裳岬は高城がヴォーカル。何故かここでは妙に鼻が詰まった様な声なんだけど、注目したいのは普段のライヴにおける彼女の悪いクセが全く出ていないところ。リズムも外さないし、下手なりに音程も外さない。つまりアレはダンスに気を取られすぎたが故の現象だった、というコトがよく解るのだ。まあ、パフォーマンスそのものは、それなり。それにしてもこの子の声は可愛いね。

 少女人形という選曲は玉井詩織にはベストチョイスとしか言いようがない。似合いすぎてるのはともかく、相変わらずソツのないパフォーマンスで語るべきところが無いのも例の如し。思ったまんまの歌唱がそのまんま出てくるのね。はい、はい、これ、これ、って感じ。玉井も鼻詰まってる?

 杏果はソロではなく南こうせつとのデュエットでなごり雪を歌う。楽曲のセレクトのおかげか、杏果癖(喉治療前)が適度に抑えられて悪くないのだけど、デュエットの弊害としてオリジネイターと直接比べられてしまう不幸が。表現力のレベルの差を目の当たりにされてしまうのは可哀想だが、それでも健闘している感はある。

 ラストの神田川とあの素晴らしい愛をもう一度は南こうせつ中心のパフォーマンスであり、あまり特別にどうこういうものではないだろう。

2013/10/20

ももクロ秋ツアー「GOUNN」@岡山市総合文化体育館 2013.10.18

そりゃあ俺がツアー遠征するなんて誰も思わないよな。まあ、これには事情があってな。もともと友人と、この時期に遊ぶ約束をしていたわけですよ。別件でね。そしたら何故か「岡山のチケット当たったけど行く?」とか言ってくれるもんだからうっかり「行きます行きます」と、これがまたたまたま仕事の都合上一番休みが取りやすい日だったこともあり。その別件の予定を翌日に入れることで一石二鳥というか、なんか違うな。とにかく、まあ楽しいことが二つに増えるってコトは倍楽しいわけじゃん?

 日産スタジアムで「音楽のライヴ」を期待していたのに「バラエティショー」を見せられてしまって大きな不満が残っていた(勿論間違っていたのは俺なのだけど)ので、ここで「コンサート」が見れるチャンスが貰えたのだから、折角だからやっぱり見ておきたい。行こうと決意した理由の一つとしてソレも大きかったんじゃないかな。

 つーワケで、当日昼前に友人と合流し岡山へ。岡山駅に着いたのは12時半くらいだっけな?当然のように周囲にはちらほらモノノフの姿。とりあえず昼飯、と入った蕎麦屋にもギャラパーが数名。うむうむ、当然と言えよう。宿に荷物だけ預かって貰い、シャトルバスのチケットを入手し、積極的に物販並ぶ予定もなかったのでコーヒーでも飲むことにする。結局会場に着いたのは17時過ぎくらいだっけな。ツイッターのフォロワー達には隠していたのだが到着後「重大発表」と称して遂にネタバラしをしたときのリアクションはここに纏めている。


 さて、会場入り。過去に行ったライヴと比べても圧倒的に小さいキャパで、友人が言うように「客一人一人が見える(視覚的に見えると言うより、存在が見えるというニュアンスかな)分、圧が高い」というのを実感する。なんか開演前に、明らかに雰囲気に押されている。なんか初めてライヴに来るような気分だ。不思議な感覚。
 場所的には2階席の通路真後ろ前列だったのだけど、前が壁になっていて足下が狭い。椅子も跳ね上げられないので踊るには厳しい場所。若干の不安。

 ライヴ本編は新曲「GOUNN」の世界観を強調したコンセプチュアルなもので、俺は見てないけど5th Dimensionツアーの延長線上にあるものだ。今回は既発曲でコンセプトを組んでいるのが違いか。とはいえ、俺は歌詞を覚えていないのでその辺はあまり気にせず通常通りの楽しみ方を決め込む。

 NHK特集かよ、というようなオープニングSE(ツアーサントラにも収録の永井ルイ作品)に乗せて、チベットの僧のような装束のダンサーが厳かに丸いランプを運ぶ。どうにも宗教臭い演出に若干の不安を覚えつつも、始まってしまえばなんだかんだで通常のライヴ。今回は肉眼でもメンバーの姿が充分な大きさで見える。よく見れば表情も何とか解る距離なのでスクリーンは最小限にし、生メンバーを見ることにする。三蔵法師みたいな衣装は、正直あんまり好きじゃないなあ。個人的目玉は天手力男。大好きな曲なんだけどライヴで聴くのは初めて。中盤の殴る振り付けをちゃんと見れたのが嬉しかったなぁ。

 結局、変に説教じみたナレーションにも最初は違和感を感じたけど、良く聴くと意外に当たり障りのない内容で極端に説教臭くなることは避けてる印象。中盤から気にならなくなってきた。最後の方一部苦笑したけど。

 パフォーマンス的には高城の成長がやたらに目について。直前に新幹線でQJ読んで、インタビューで言ってることが大人すぎてしかもしっかりしすぎて驚いていたんだけど、それがパフォーマンス面でも凄い出てるのね。歌とかダンスとかって言うより、見せ方のレベルが全然違ってきてる、っていう気がする。練習とかじゃなくて、なんかの切っ掛けによる意識で全然変わってくることあるじゃん。ああいう感じ。

後半の、タイツ地っぽい衣装に脚の所にぴらぴらしたのが付いた衣装(画像の衣装から頭部の装飾を除いたもの)が良かったね。あのぴらぴらの後ろから脚のラインが時折見えるのがたまらねえのだ。

 脚フェチ発言はさておき。

 宗教臭さを払拭したのが実は夏菜子で。3つめくらいの、菩薩っぽい衣装とメイクで出てきたとき、特にあーりんと杏果(ふくよか組)の「本当に菩薩っぽさ」が凄くて、コレは神々しくもみえるわな、と思ったのよ。
 ところが、夏菜子の歌ってるときの表情がもう神々しさのかけらもない普通の百田夏菜子さんその人以外の何者でもなく、馬鹿で元気で楽しくて必死な夏菜子を神格化するようなくだらないコトは、どう考えても出来ないよね、って思った。それで安心したんだな。このライヴは変な思想や世界観を押しつける物ではない、って思えた。

 新曲GOUNNについて触れると、天手力男+キミとセカイ+80’s歌謡曲的サビ+シタール、という印象。そんなコトもあってNARASAKI作品かとも思ったけど、どうなのだろう。そういえば全体の選曲もNARASAKI率高かった。まあ思った以上に「普通のポップス」ではあったよね。まあ次のシングル曲なんだから当然か。

 たとえ本編の宗教要素に不安が残っていても第二部というか、アンコール的位置づけのパートでのメンバーの極端なまでの馬鹿っぷりを見たら100%安心出来ることは間違いない。いや、こんなガキ共が馬鹿みたいに巫山戯てるのを見る為に岡山まで高い金出して来たのかと思うと。

 俺がももクロのライヴで涙を出したのは初めてなんじゃないだろうか。勿論、こいつらの馬鹿っぷりに爆笑してだ(一部では俺がライヴで号泣したというデマが流れているが……)。いちいち書いても仕方ないから省くけど、とにかく最初のMCから退場まで、歌ってない間は最低誰か一人がふざけ続けているのだ。人の自己紹介邪魔するわ、スカートめくるわ、下ネタかますわ……。ロクでもないことやらかすのが一番はやい玉井詩織が最も生きたのはここではなかったか。

 いや、とにかくヒドかった。ももクロ生で見るのは4回目だけど、こんな楽しいライヴは無かった。緊張と緩和のバランス、極端に見えて凄く良かったんじゃないかな。メンバーもリラックスしてたし、楽しそうだった。大箱はやっぱりプレッシャーも含め、こういうリラックス感は望めないんだろうね。

 ってなワケで、俺は今回この「コンサート」に非常に満足した。細かいところ言えばいくらでも言えるよ。歌は特にかなり雑な部分もあったし。でも、メンバーの楽しさがストレートに伝わってきたうえに、ちゃんと音楽を楽しめたのはとても大きかった。箱の音響はとてもいいとは言えなかったけど、西武ドームや日産スタジアムに比べたら100億倍いいよね。

 そのかわり、「俺はもう大箱のショーは楽しめないかも知れないな」と思ってしまったのは事実。音楽をないがしろにしたバラエティにはうんざりだし、あの音響はやっぱり音楽を聴く環境じゃないよね。
 旅費とかかかっちゃうけど、もうももクロはクノとかツアーだけ見る方が楽しいのかもなあ、と、少なくとも今時点では思っている。

2013/10/16

灰とダイヤモンド

いままでろくなバラード曲が無かったももクロが、アルバムに2曲も出来のいいバラードを収録したというのは大事件ではないだろうか。しかも前山田健一作曲。アレンジにさえ手を出させなければ彼にもいい仕事が出来ることを再認識させた、と言う意味でも意義は大きい。

 曲そのものも勿論良いのだけど、メンバーとバッキングの表現力が大きく向上したのがこの曲を良く聞こえさせる要因の一つだと思う。過去の「白い風」や「キミノアト」のような安っぽい打ち込みトラックとは一線を画したサウンドには圧倒的に説得力を感じるし、そこに乗っても違和感がないところまで(どうにか)成長したヴォーカル、この時点でのバランスとしては素晴らしいのではないかな。

 7分近い長尺曲だけど、展開がワリと凝っているので意外に飽きない。特に後半への流れ、夏菜子のソロパート→速いパッセージのインスト→メンバーが歌い継いで杏果の圧巻のロングトーン、という流れが白眉。この曲で「杏果歌えるようになったなあ」と、熱の低めなファンである俺でさえしみじみするのだからまして緑推しの心境たるや。

 アルバムのラストトラックとして考えても大袈裟にハッタリで始まったアルバムを、「ちゃんと壮大な」音楽で締める、というのは秀逸。それでいて曲そのもののエンディングは意外にあっさりしているのも、良い。

宙飛ぶ! お座敷列車

「タイムマシーンにお願い」との類似を指摘されることの多いポップなロックンロール。確かに似ている。また、どこまで狙っていたかは不明だが、労働讃歌の歌詞「宇宙弾丸列車」がこの曲に結実したように聞こえるという部分は話題になった。

 曲としてはあまりにもシンプルなのであまり語ることもないのだけど、少し膨らまそう。

 2回目のヴァースの所謂トレインビートやラストのサビに向かうブリッジの3連符を使ったリズムアレンジがなんとなく嬉しいのはドラマー視線か。
 また、徐々に使われるようになってきたメンバーによるハーモニー、春以降のライヴアレンジにも繋がっていくブラスセクションの多用など、新境地の予告編的な要素も垣間見えて、シンプルながら微妙な聴き所は多い。

 ヴォーカルのパート分けはそれほど凝ってもいないし、サビはユニゾンで押し通すんだけど、工夫がないと言うよりみんなで歌うパーティソングというイメージか。

 まあ、シンプルに楽しい曲だから、歌って踊る以外のコトを考えるのは野暮、ってコトかも知れないね。