2013/05/09

Z女戦争

 作曲は相対性理論のやくしまるえつこ(ティカ・α名義)。7分を超える曲として話題になったシングルだが普通の音楽ファンにとってはとりたて騒ぐ長さではないだろう。曲の長さは確かにあるのだが、様々なパートがめまぐるしく登場する為あまり長さは感じない。しかもイントロ無しで始まり、途中短い間奏があるだけでほぼ歌いっぱなし。ファンならあまり冗長に感じることは無いのではないだろうか。

  CDを持ってないのでクレジット関係が解らないのだけど、比較的ロック寄り、生音(風)のサウンドを活かしたプロダクションになっていて聴きやすい音。打ち込みの人がやりがちな音を詰め込み過ぎる感じもあまりなく、(この時点での)ももクロの楽曲中でも数少ない音の隙間が聴ける曲の一つ。だから長いし、構成パーツも多いけど重苦しくならない。こんな曲なのに清涼感さえ感じる理由はそういったところにもあるのかもしれない。

  従来通りのイメージで詰込み気味の歌詞をコミカルに聴かせるヴァースからフィル・スペクター風というか歌謡曲風というか、メロウに落としていくブリッジ、そこから再びサビに向けてアッパーにしていくという構成がメイン。2回登場するブリッジは杏果以外の四人が担当するのだが、この曲全体的に杏果が目立たない。猛烈で全般に美味しかったからバランスか?

  まあ、確かにこのパートには他の四人の声質が合ってるのは事実で、使い方としては正解。サビのソロパートでも同じような配置がされており、こういう「昭和っぽい」メロディには実は杏果ってマッチしないことに気付かされる。他の四人に比べ彼女だけ「J-Pop的」シンガーなのがその原因か。逆に普段ヴォーカルで特筆することが何もない玉井のハマりっぷりが凄い。

  後半の短い間奏を挟み「合唱」パートがあるのだけど、折角のこういうパートで、しかもメンバーが順に入ってくる構成なのに完全にユニゾンなのが不満。ここは2〜3パートでいいからハモって欲しかった。動きも無いからライヴでも再現させやすいだろうに。これは本当に残念。

  最後に、PVで巨大バズーガを担ぐあーりんの「大男キャラ」っぷりが完璧すぎて音楽レビューとしては完全に余談なんだけど触れずにいられませんでしたよ。

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