2012/10/07

ワニとシャンプー


個人的には前山田健一の最高傑作と思っている。メンバーが馬鹿であるということを曲として見事に描き切った作品。ライヴではココ☆ナツ、サンタさん等と並んで「単純に盛り上がる曲」の地位を確立している。

  世に夏の終わりを描いた曲は数あれど、ここまで馬鹿なものは(アニソンやノベルティの世界を除いて)無かったのではないか。歌詞は「夏休みの最終日なのに宿題が全く終わってない」というだけの内容で、最初のヴァースで90枚残っていたプリントは曲が終わった段階でも60枚までしか減っていない。しかも30枚はデタラメで埋め尽くされているのだ。

  この曲をそのまま体現するのは百田夏菜子そのひとで、中間のブレイクでの「はぁ終わらない」に込められたリアリティは白眉。2013年以降、高校を卒業したかなこがこの部分をライヴでどう表現していくのか、リアリティを保ち続けるのか、が今後気になるところだが…。逆に「知識は無いが優等生」の有安が「やばい、やばい」を連呼するパートは一部でリアリティ不足が指摘されている。 

 ラテン風のリズム構造に昭和の歌謡曲を彷彿とさせるマイナー調のメロディというスタイルは夏ポップスの典型パターン。イントロの「ラーラララ~」の部分とともにサザン・オールスターズの「勝手にシンドバッド」も思い起こさせる。
 扇子を使って踊るのは90年代の音楽シーンを体験した我々には懐かしいが、ハードコアテクノのスタイルが使われているわけではない。

  ちなみに既に、ファンの間だけとはいえ、中高生は宿題が終わらない状態のことを「ワニシャン状態」と表現し始めており、そういう意味でもキャッチーな存在。しかし未だ何故酸素を作るのにワニとシャンプーだと思ったのかは公開されていない。

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