2013/01/21

猛烈宇宙交響曲第七番「無限の愛」

 メジャーデビュー後7枚目(怪盗少女からカウント)のシングルだから第7番(ちなみに4枚目のシングル、Z伝説ではナレーションに第4話というフレーズが登場する)。「猛烈」はタイアップとなった宇宙ものアニメのタイトルから採ったものらしい。

  宇宙交響曲というハッタリの利いたタイトルの通りの壮大なサウンドを持った曲で、楽曲としては要するにクィーンっぽい世界観を再現してみたかったのね、という感じ。クィーンに似てると言うよりも「クィーンが好きなメタルのミュージシャンが作ったような曲」というと解りやすいか。

  大編成のコーラス隊と、ギターのマーティ・フリードマンがゲスト参加している。楽曲は前山田健一によるものだが、生の音を全面的にフィーチャーしたことにより彼のサウンドプロダクションの欠点である「捻りの無さ」が表面に現れることは回避されている。  マーティのギターは曲全体でカウンターメロディ的にソロを弾きまくっており、いかにもへヴィメタル畑の硬質的かつ叙情性に溢れた(個人的には嫌いな)音。だがこの曲にはマッチしていて、前述の通り安っぽくなりがちな傾向から救っている。ヴァース間の繋ぎのクラシカルなフレーズは白眉。

  いつもの様にめまぐるしくソロシンガーが切り替わっていくのだけど、ヴァースでワルツになるところにあーりんを持ってきたのが素晴らしい。しかし、このパート、2回目は高城なのだけど、これが彼女の声の「アイドルっぽさ」を再確認できる部分。あーりんに負けてないところを確認したい。
 このパートからサビへの繋ぎとして「激烈!炸裂!〜」と歌う部分は全員がかなり素っ頓狂な声を聴かせている。「爆裂」の部分が2回目だけ何故か「カツレツ」なのだが、担当は勿論玉井。

 また、前山田がインタビューで語っていた「今回は夏菜子と杏果を近くに置いた」というアレンジもなるほど、二人の「込め方」の違いが浮き彫りになって面白い。主にこの二人がこの曲の熱い部分を担ってる。前山田健一のパート割りは本当に、上手い。

 歌詞に「星屑のくずとなりて」「星の子供がキミを守り続けるよ」など、事務所ネタを歌詞に盛り込むのは良くも悪くも前山田クォリティ。
 
  全体に(というかこのEP全曲)中二病全開の歌詞なのだけど、ピークは中間の語りになるパート。「燃え盛る太陽」と「暗黒のブラックホール」以外は日本語としても成立していないのが逆に完璧。ここでの高城れにの(かなり酷い)「演技」にも注目したい。前述の「アイドルっぽさ」後半の「ポゥ!」と合わせ、彼女の幅広さを(無駄に)感じられる。

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