2012/12/21

労働讃歌

Zになって最初のオリジナルシングル(2枚のワンコインシングルはイレギュラーな形態だった為)。The Go! Teamのイアン・パットンと大槻ケンジの共作という予想外の人選に、明らかに「アイドルの衣装」を明後日の方向に逸脱した省エネスーツ+頭にネクタイという、とりあえずインパクト与えたいだけだろう!という突っ込み狙いでリリースされたシングルである。 

 大槻ケンジの歌詞には賛否両論あって、やはりあまり皮肉的なニュアンスではない意味での「労働讃歌」な歌詞には個人的にも違和感を覚える。どうしてもこういうとき比較したいのは「逆転イッパツマン」の「シビビーンラプソディ」なのだけど、サラリーマンの悲哀を歌った同曲に対し、「上の奴らは逃げちまった」と歌いつつも前向きな内容に結実する「労働讃歌」はやはり重みに欠ける。歌い手が子供(勿論彼女たちも立派に労働しているのだけど)だというのも当然あるだろう。

  音楽的な方から見るとももクロの作品でも随一と言えるグルーヴを感じさせる曲(ソロ曲を除く)であり、一種のブラスロックとしても聴ける。ギターのカッティングが格好良い。流石にロックミュージシャンが作った曲、という感じだ。イントロと中間部のラップは蛇足の様な気もするが。サビで序盤下に行っていたパートが後半でファルセットで上に抜けていくアレンジになる部分が良いな。単純なアレンジだけど高揚感がある。 

 ミックスが全体のメリハリを殺しているのが残念。コンプで全部上に貼り付いたような音になってしまっているんだけど(Oasisの曲みたいなミックス、と言えば解りやすいか)もっと空間と強弱を活かした音に出来た筈だ。

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