2012/10/01

Z伝説〜終わりなき革命〜

ももいろクローバーZ名義での初シングル。シングルとしては1曲のみ収録のワンコインシングルとしてリリース。アルバムBattle and Romanceの1曲目にも収録され、あらゆる面で再出発のテーマ曲としての位置づけをされた曲。

 ヒーローものの主題歌的なアレンジを意図的に施され、仮面ライダーでの中江慎二のようなナレーション、そして水木一郎本人による「Z」のシャウトがフィーチャーされ、徹底的なパロディになっている。彼らのゲスト参加によりこれまた昭和世代を刺激する空気が圧倒的に強くなるのだが、リズムやアレンジは現代的なもの。渡辺宙明的世界とは一線を画する。

 それにしても大事な1曲目、テーマ曲と言える存在の曲がパロディというのは普通はあり得なく、しかもコレをマジでやると言うくだらなさ、大胆さがももクロの真骨頂だ。怪盗少女の二番煎じになる宿命を背負った曲を上手いことずらして仕上げたと思う。

 今までのシングルと同様、この曲もメンバーの自己紹介ソングになっている。歌詞の中で露骨に名前まで登場しないものの(あーりんを除く・・・)各人のキャラクターを明快に紹介していて、完全に「テーマ曲」として作られたことがはっきり解る。ヴァースの色分けパート以外にも、3コーラス目での詩織による「腹減ったー」や2コーラス目の高城の「わちゃー」など、使いどころの明確化は今まで以上に徹底。この曲を聴くだけで「ももいろクローバーZとはどういう連中か」というのが解るように出来ているのだ。ビデオも観るともっと解りやすい。まあ、アイドルのビデオとしてみると唖然とするが。カレー喰ってるし。

 今までの(特に前山田健一の)曲は「強引な転調」という特徴があったが、この曲ではわりとベタな、終盤で上にあがるというアレンジをあえて(?)採用。そこであーりんの必殺の最高音が炸裂するところがクライマックスか。Chi Maxxのファルセットを更に超えた「ここぞ」の一撃。母親に「不快だから歌うな」と言われた経験のある子の歌とは思えん。

 2コーラス目の「ブルー!」「あっ」には注目せざるを得ない。過去を背負って前に進む、と言うテーマをシンプルに表したパートだが、逆にこの部分がある故に活動が長くなっていくと使いどころの難しい曲になってしまうかな、という気もする。少し。

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