2012/09/03

Chi Maxx

「アイドル」という存在に「プロレス」と「ドリフ」という明らかに食い合わせが悪そうな要素を力尽くで取り込んだ結果、異常にアッパーなキラーチューンが出来上がってしまったという劇薬ナンバー。気狂い濃度ではリードトラックを上回る。

 楽曲そのものはとにかく盛り上がるように出来ているだけの(だけの、ってソレが凄いのだが後述)比較的まっとうなポップソング。いや、この曲に関しては「ロック」という言葉を冠しても差し支えないかも知れない。ライヴでも「ココ☆ナツ」と並んで単純に盛り上がる曲として定番となっている。

 ダンスに前述のプロレス(武藤敬司のプロレスラヴポーズなど)とドリフ(ビバノンロックと髭ダンス、東村山音頭の動き)を取り込み、歌詞の面では「戦いに立ち向かう」というハードで前向きな要素。とにかくこの曲のももクロは戦闘モードだ。
 「手強すぎる夢は最高のパートナーでライバル」という歌詞は彼女たちの置かれる状況を端的に表現した歌詞で、他の部分も含めて「ももいろクローバー(Z)の裏テーマ曲」と呼んでいい。

 ドラムンベース的なリズムのみをバックにするヴァースから繋ぎの短いブリッジを経てアッパーなサビに至るコントラストは見事。サビはひたすら盛り上がりっぱなしになるように出来ていて、詰め込まれた歌詞が意味云々以上に気持ちを盛り上げる効果を持っている。そして「びゅんびゅんびゅんびゅん」で最高潮に達するのだ。

 メンバーのヴォーカルも冴えていて、ラストシングルで過去最高のラップを聴かせるあかり、天国へ突き抜けるようなファルセットを披露するあーりんは特筆したい。

 個人的にはひたすらフロア向けに徹したリミックスを聴いてみたい。

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