2012/09/03

ミライボウル

俺がももクロに引っかかる切っ掛けになった曲。ももいろクローバー名義での最終シングルのリードトラック。

 「強制的にアゲられていく曲」と紹介(Waste of Pops 80's-90'sさん)されていたとおり、全く繋がりようのない(大きく分けて)三つのパートが有機的に融合することなく力尽くで合体し、いびつなまま大団円を迎えるというもの凄い曲。その凶悪さはももクロの楽曲でも随一と言える。

 作曲は前山田 健一と大隅知宇となっていて、アレンジをNARASAKIが手がける。チャールストン風のヴァースは前山田作(*注)。元から「半ラップ風のヴォーカルで」という発注を受けていたといい、その際にメロディを作ってからそれを一音に置き換え、更にメンバーには自由に歌わせるという方法で作られたらしい。
 チャールストンにラップという時点で既に滅茶苦茶だが、サビは全く違うJ-Pop風のもの。勿論リズムも完全に変わる。ここが大隅作かどうかは不明。安心感のある「サビらしいサビ」が逆にこの曲には異質だ。むしろアクセントになっているところが異常。

 個人的に最も引っかかったポイントが間奏〜ラップ部分で、ここは完全なアシッドテクノになる。TB-303(風)のベースがうなりまくるバッキングに早見あかりのラップが乗るこのパートはツボに入った。ラップそのものは曲の段階であったと思うが、アシッドにアレンジしたのはNARASAKIと思われる。

 スローパートからアクロバットの振り付けを挟みサビに戻る構成は全二作を引き継いでいる。スローな部分の歌詞が陳腐なのが気になるが、まあポップスだから良いだろう。エンディングの「恋は伝説さ〜」の部分はNARSAKIが付け足したもので、ピンキージョーンズでの「天下を取りに行くぜ」の部分と同じパターン。ラストに広がりを持たせる効果を発揮している。

 気になるのが2番の歌詞で、この部分は例によって自己紹介風にもなっており、各メンバーの色が織り込まれているのだが、早見〜高城のパートが一行(一文)に押し込まれている。また、「青春のアザ紫に〜」と、ここを高城一人で歌っても違和感がない、「青」が強調されていない歌詞になっており、ついスタッフには早見脱退が周知されていたのでは?と勘ぐってしまう。

(※注)前山田健一がTwitterで「作曲欄にクレジットはありますが、俺は殆どノータッチの楽曲です。」と語っているが、チャールストン部分の「本来のメロディ」を弾いて解説する映像が残されている。

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