2013/10/16

灰とダイヤモンド

いままでろくなバラード曲が無かったももクロが、アルバムに2曲も出来のいいバラードを収録したというのは大事件ではないだろうか。しかも前山田健一作曲。アレンジにさえ手を出させなければ彼にもいい仕事が出来ることを再認識させた、と言う意味でも意義は大きい。

 曲そのものも勿論良いのだけど、メンバーとバッキングの表現力が大きく向上したのがこの曲を良く聞こえさせる要因の一つだと思う。過去の「白い風」や「キミノアト」のような安っぽい打ち込みトラックとは一線を画したサウンドには圧倒的に説得力を感じるし、そこに乗っても違和感がないところまで(どうにか)成長したヴォーカル、この時点でのバランスとしては素晴らしいのではないかな。

 7分近い長尺曲だけど、展開がワリと凝っているので意外に飽きない。特に後半への流れ、夏菜子のソロパート→速いパッセージのインスト→メンバーが歌い継いで杏果の圧巻のロングトーン、という流れが白眉。この曲で「杏果歌えるようになったなあ」と、熱の低めなファンである俺でさえしみじみするのだからまして緑推しの心境たるや。

 アルバムのラストトラックとして考えても大袈裟にハッタリで始まったアルバムを、「ちゃんと壮大な」音楽で締める、というのは秀逸。それでいて曲そのもののエンディングは意外にあっさりしているのも、良い。

0 件のコメント:

コメントを投稿