2012/10/18

オレンジノート

 無印時代から現在に至るまで、ライヴで後半以降の盛り上がりに欠かせない平凡なポップソング。 

 この曲の最大の欠点は(実はこれが「類型的なJ-Pop」の特徴でもあるのだけど)、サビ(?駈けだした〜の部分)のメロディ、その譜割にある。八分音符ベタ打ちのリズムに音符一つに一文字が乗るという、どこまでも野暮ったいリズム構造。4小節目に取って付けたような付点音符(たーんたたーんたたーん)が入ってくるが、これがダサさを倍増させている。16分音符を使いながらシンコペーションが一切含まれないのでぼってりとした印象ばかり残ってしまうのだ。よく言われる「ロックのライヴでも頭打ちの手拍子をしてしまう日本人のリズム感覚」をそのまま表現したようなアレンジ。音楽が苦手な人には盛り上がりやすいのかね?

 そういうわけで散々酷評してきたJ-Pop路線でも特に嫌いな曲。悪い曲というわけではなく、一切何も起こらない。芸術の世界で「可もなし不可もなし」ほど無意味なことは無い。個人的には「J-Popが何故嫌いか」をロジカルなかたちで理解する助けにはなったが。

  古くからのファンの思い入れなど俺には通用しねえのだ。

 閑話休題。ヴァースに入っても耳を惹くような瞬間は一切なくありきたりの(逆に言えば馴染みやすい)展開が続く。ラップ部分は他の曲に比べてよく出来ているが、それさえもこの曲の平凡さを際立たせる結果になっている。

 オレンジノートという言葉の意味は不明だが、(無印時代からの)メンバー6人の色に含まれない「オレンジ」をタイトルに冠したのには多分意味があって、それだけにメンバーやファンにも思い入れが強いのだろうな、とは思うのだけど…。

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