2012/09/10

ももクロへの道〜ももクロとは「癌」なのか?

俺もももクロに填っていく道のりを記しておこう、と思った。ちょっと長くなるけど書いていこう。

 そもそも俺という人間はアイドルに填ったことなんか一度もない。中学〜高校時代はおにゃん子クラブの全盛期だったが、長期にわたって悪性の中二病を煩っていたため、「アイドルなんか」聴くわけもなかった。

 そういう「アイドル系」を最初にちゃんと聴いたのが例の「ポリリズム」によるパフュームのブレイクだった。この曲はアイドルポップスとしては明らかに「攻め」の姿勢で作られたある意味前衛的な作品で、そしてダンスミュージックそのもののビート(実際にはアンダーワールドのパクリに近いとも言われる)と「本当にポリリズム」はインパクトが強く、ここに至り遂に俺が「アイドルのレコードを買う」という現象が起こるのである。

 また、何故か俺は女性ヴォーカルが好きではなかった。ジャニスやアレサからプリテンダーズに至るまで、女性ヴォーカルモノのレコードはある程度、と言うレベルしか買っていなかった。が、何故かこの時期から身体が(?)女性ヴォーカルを求め始める。一気にエヴリシング・バット・ザ・ガールやユーリズミックスのアルバムを揃えたのもこの頃だ。

 ただ、パフュームは長続きしなかった。アルバム「GAME」は素晴らしいと思ったけど、それ以降のシングルがどんどん退屈になっていく。中田ヤスタカのパターンも見えてきたし、それ以上に世間に受け入れられるにつれ、攻める必要が無くなって言っているのが手に取るように解った。むしろお茶の間に受け入れられるサウンドが求められているのだ。

 そんな時期でも身体は女性ヴォーカルを求める。チャットモンチーにも填ったが、ヴォーカルの持つ力が強すぎて(これは素晴らしいのだけど)疲れてると聴けなかったりする。60年代のガレージ/GSっぽいキノコホテルや、下手糞な演奏とヴォーカルに癒される住所不定無職、パワフルなサウンドと格好良いコーラスのBarbarsなどインディーズ系のバンドを中心に女性ヴォーカルを聴きまくっていた。

 そんなさなかに、ももクロの存在を知る。

 とは言っても、流れは良く覚えていない。でも切っ掛けははっきりしている。Waste of Pops 80’s-90'sというサイトをご存じの方は多いと思うが、ここでミライボウルが「強制的にアゲられていく曲」という言葉で紹介され、PVへのリンクが張られていたのだ。普通俺はこういうのを観ようと思わないのだけど、前述のような時期だったし、既にパフュームでアイドルへの抵抗もなかったし、何よりその日は時間があった。

 普通はここで「これが過去にない衝撃だった」とか言う文章に続くのだが、そうはならない。「成る程、おっしゃるとおり、強烈な曲だ。それにこの構成はなんだ。狂っている。面白いな」その程度。だけど、確実に俺に(彼女たちの時折使う言葉で言えば)爪痕を残した。

 そういう状態の俺だったし、ナタリーやCDジャーナルをチェックしていると否応なしに彼女たちの情報が入ってくる。何となく面白そうだな、とインタビューや特集記事を読む。インタビューはご存じの通りあの調子だ。なんでインタビューが鮭とば喰ってるところから始まるんだ?とか思っているウチに、知らずのうちに体内ももクロ成分がどんどん溜まっているのだ。

 そして、YouTubeでうっかり、ご多分に漏れず例の有名な動画を目にする。そして、エビぞりジャンプも見てしまうわけだ。

 潜伏期は終わった。それからはもう加速度が付く。鮭とばの印象が強かったので、その馬鹿っぷりを確かめようとUstもの中心に見て人間としての魅力を感じてしまう。コレは悪い兆候だ。ライヴやPVを見てその過剰な動きに爆笑と感動を感じる。色々なものが繋がって、彼女たちのキャラクターも解ってくる。そうした状態で、インタビューに当たり直す。おもしろさが違う。レンタルしてiTunesに取り込みっぱなしだったBattle and Romanceを聴きかえす。そういうタイミングでQuick Japan102号とミュージックマガジン7月号が出る。

 発病に気づいたときには手遅れである。うちは癌家系なのだ。CDは一枚も持っていないけど、もうももクロが大好きだった。キャラクターは好きだけど音楽は、特に前山田健一の曲は良くないと思っていたのだけど、いつの間にかももクロの曲(勿論前山田の曲を含む)が脳内ヘヴィーローテーションになっていた。

 そうなれば勢いは更に加速する。既に聴ける曲は全部聴きたくなっているので、足りなかった曲をレンタルしたりiTSで買う(iTSではももももクロ★オールスターズ2012や白い風も買えるのだ!)。インタビューがもっと読みたくて試練の十番勝負や七番勝負を買う。ついには(貯まっていたYAMADAのポイントを駆使して)ライヴDVDを買う。ここに至るまで、半年とかかっていない。恐ろしい。母の癌も進行が早かったが、その勢いだ。
 書籍での不足分を補いたくて試練の七番勝負DVDを買う。ももクロChanは買ってない。その前に他のライヴだ。横アリも買う。七番勝負パート2も予約済み。なんたることだ。

 そして、こんなブログを始めてしまう。いまだに自分がどうなってしまったのか解らない。多分もう全身に転移している。手遅れだ。ももクロも先が見えないグループだが、俺も一緒に見えない先へ向かって進んでいくのだろうか。その先は死なのだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿